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歌集「春雪花」
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 どれだけの

  時を流せど

    報われぬ

 恋ぞ虚しき

    雨に黄昏る



 どんなに待っていようと、この想いが叶うことはない…。

 私が恋をし、それが叶うことは有り得ないのだ…。

 ただ虚しいばかりで、日々風を追っているかのような空虚な毎日は、生きることさえ疑問視させる…。

 小雨の降る夕暮れ…辺りは暗くなり、私はこの恋にすら黄昏るだけだ…。



 さめざめと

  そぼ降る雨に

    小夜更けて

 聞かば闇夜に

     君を想いし



 まるで静かに涙を流すような…そんな小雨の降る夜更け…。

 彼に会いたい…叶わぬ想いは棘となり、心に深く刺さる…。

 意味を求めようと藻掻いても、そこに答えなぞなく…あるは過ぎ去る時間だけだった…。

 何も見えない闇夜…屋根から滴る雨水の音だけが、ただ響いているだけ…。

 恰も…私の心のような空模様…。

 彼を想い…心で泣いて…何も見えずに落胆し…自分自身に嫌気がさす…。

 きっとそれが…私に与えられた全てなのだろう…。





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