16部分:第三幕その二
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込んでいた時に会ってね。今この邸に匿っているのさ」
トスカ 「まあ、そうだったの」
ほっとしたようでいてそれでいて申し訳なさそうな顔になって言う。
トスカ 「それだったら早く言ってくれれば良かったのに」
カヴァラドゥッシ「君を巻き込むまいと思ったからね。後で話すつもりだったけれど」
トスカ 「御免なさい、マリオ。貴方を疑った私を許して」
そう言って恋人の胸に顔を埋めた。二人はここで抱き合う。
トスカ 「(カヴァラドゥッシに対して)マリオ、貴方は素晴らしい人よ。自分の命を賭けて御友達を助けるつもりなのね。そんな人を疑うなんて・・・・・・。嫉妬深い私を許して。私は貴方の愛が無くては生きられないの」
カヴァラドゥッシ「フローリア・・・・・・」
カヴァラドゥッシもトスカを抱き締めている。甘いムードになる。
カヴァラドゥッシ「アンジェロッティは今夜ここにいてもらい朝にはローマを脱出してもらう。僕もヴェネツィアに発つまでここに潜んでいるつもりだ。フローリア、君も怪しまれないように自分の家に帰るんだ。そしてあの街で落ち合おう」
トスカ 「(その言葉にはっとして顔を上げて)そんな、暫く会えないの!?」
カヴァラドゥッシ「仕方無いさ。僕も暫くあの絵をほったらかしにするのは忍びないけれど君まで危険に晒すわけにはいかないからね」
トスカ 「けれど貴方が捕まらないか心配だわ」
カヴァラドゥッシを見て言う。だがカヴァラドゥッシは彼女を安心させるように言う。
カヴァラドゥッシ「僕のことは心配無用さ。ここは誰にも絶対に見つからない」
トスカ 「そうね、ここだけは」
カヴァラドゥッシ「それにしても」
アンジェロッティが着ていた服と共にトスカの手にあった扇を取る。それからまた述べる。顔は苦笑い気味だ。
カヴァラドゥッシ「この扇が君を嫉妬に狂わせたのか。罪な扇だよ」
右の親指と人差し指で持ち苦笑しながら見ている。
トスカ 「御免なさい」
カヴァラドゥッシ「いいよ、済んだことだし。多分教会に落ちていたんだろうけどどうしてこの扇を手に入れたんだい?」
トスカ 「何処でって?」
カヴァラドゥッシ「僕が教会を出た後またあそこへ行ったの?」
トスカ 「いえ、頂いたのよ」
素直にそう述べる。
カヴァラドゥッシ「誰に?マルケサは今ローマにいないと聞いたし侯爵でもマルケサの情友のトリヴェルディ子爵でもないみたいだし」
トスカ 「スカルピア男爵よ」
素直にそれを言う。彼女にはわかっていない。
二人 「スカルピア!?」
トスカ 「ええ。それが何か?」
カヴァラドゥッシとアンジェロッティに雷が走ったよう
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