第27話 問題だらけの英霊召喚
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!桂の館は今頃半壊状態ですよ!!それから――――」
スカサハは不機嫌な顔一転させて、すこぶる楽しそうに利信の非常識な話に聞き入っていた。
そんな頭痛薬を煽りたくなる様な光景から目を逸らし、雷画は士郎に問う。
「如何する、士郎?今回はやめておくか?」
「どんないわくつきか判りませんからね。確実性を期すためにも今回は見送ると言うのも選択肢かと・・・」
雷画と和成の2人に問われた士郎だが、数秒黙ってから答えを出す。
「・・・・・・・・・いや、やるよ」
「正気ですか、若!厳選したわけでもない様なモノですよ?」
「正直、そんな悠長な事を言ってられない事態だと思う。あのバーサーカーが俺で対処できなかったらと思うとゾッとするし、他にも怪しい奴らが俺の周りにうろついて来ている。今見送ったら守りたいモノも守れなくなる気がするんだ」
「若・・・」
「士郎坊・・・」
士郎の覚悟じみた判断に、感嘆の吐息を漏らす。
であるならばと、雷画としては士郎の意思をくみ取らないと言う選択肢はない。
「では始めるとしようかのう」
「ああ。――――素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が大師シュバインオーグ。降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
士郎が英霊召喚の詠唱を紡いでいく。
その時、士郎達が知覚出来ない英霊の座から詠唱と聖遺物に引かれていく高潔な霊器があった。
その霊器はなんと、周囲をただ漂っていた別の霊器と衝突、高潔な概念霊器は意識が賦活する前にある欠損してしまった。
だがその欠損を抱えたまま、召喚の地である衛宮邸の地下空間にいってしまう。
そして――――。
「――――抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
魔法陣からこの地下空間全体を包み込む逆巻の風と稲光が放たれた。
『・・・・・・っ』
全員目は見開いたままだが、召喚者以外の者には風圧により僅かに体をぐらつかせる。
それに耐えきると、魔法陣の中心から微かな声を聞き取った。
「・・・?・・・どう・・・・・・考・・・・・・か・・・」
何を呟いているかまでは聞き取れないが、召喚自体は成功した様だ。
視界を覆っていた煙が晴れて行き、英霊の姿が現れていく。
鉤爪の様な金色の手に、白いマントを腰からはためかせ、腰に刀剣を携えている。
何より目を引くのは、ただ赤いのではなく神聖さを感じさせる橙色の焔を彷彿させる長髪だ。
それを後ろで止めて、軽く髪をまとめている様だ。
お互いに顔をちゃんと認識できる位に視界が晴れてから、少年姿の英霊が問いかけて来る。
「――――問おう。汝が、余のマスターか?」
一見女性を思わせる声音であ
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