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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十六話 やり直し
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、俺は言葉に悩んで雪鳴の方を向く。

 すると雪鳴は俺を見つめ、無言で頷いた。

 きっとそれには、俺の答えに全てを委ねるってことが意味合いとしてあるのだと思った。

 そうだ。

 これは誰かから答えを聞いて解決できることじゃない。

 俺が俺なりの言葉で、柚那に伝えないといけないことなんだ。

 それが五年という月日で柚那を傷つけた、俺の責任だから。

「……柚那」

「はい」

「俺、五年前に両親を事件で亡くして、姉さんも意識不明になったんだ」

「お姉ちゃんから、少しだけ聞いた」

「そうか……」

 本当は、俺の口から話したかったけど、話しちゃったか。

 いや、もしかしたら話すんじゃないかって予感はあった。

 手間が省けた……と、思うのは失礼だよな。

「姉さんな、すぐ近くの病院でまだ眠ってて、見た目とか記憶とかが五年前から停止してるんだ」

「……」

「姉さんに会うと、五年前のことが鮮明に蘇るんだ。 あの時の辛かったこと、苦しかったこと、悲しかったこと全部……忘れられないんだ」

「……」

 深々と頭を下げたまま、返事のない柚那に俺も変わらず言葉を続ける。

「忘れられないこと、沢山あって、嫌なことだらけだった。 だけど、その度に雪鳴と柚那に会いたいって思ったんだ」

「っ……」

 ビクッと、柚那の身体は驚いたかのように震えた。

「もう、俺を抱きしめてくれる家族がいない。 会話ができる家族がいない。 甘えられる家族がいない。 そう思った時、何度も雪鳴と柚那のことを思い出した。 だって俺にとって二人は、大事な家族だったから」

 ゆっくりと柚那に近寄り、肩を掴んで起こさせる。

 震える瞳でこちらを見つめる柚那に、俺は出来る限りの笑顔を見せて言った。

「会いたかった。 ずっと……ずっと、会いたかったんだ」

 再会して、容姿が変わって気付かなかったのはきっと、ずっと五年前のまま変わらなかった……いや、変われなかったから。

 姉さんの身体と共に、俺の記憶もまた、五年前から進めなかったんだ。

 だけど会いたくてしょうがなかった。

 本当はこうして起こったこと全部話して、甘えたかった。

 ずっとずっと、会いたくて堪らなかったのに、強がって言えなくて。

 でも寂しかったのは柚那も同じだったんだ。

 雪鳴も寂しかった、柚那も寂しかった、俺も……寂しかった。

 もっと早くに気づいていればよかったって、そう思う。

「柚那、ごめんな。 寂しい思いさせて……ほんとに、ごめんな」

「ううん、もういいの。 でも、お願いがあるの」

「なんだ?」

「もう、何も言わずにいなくなったりしないで
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