14部分:第二幕その七
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第二幕その七
スカルピア 「あそことは?」
トスカ 「貴方が知らせに行かれるとよくありませんから御教えするわけにはいきません。ここは私が行かせてもらい二人を」
スカルピア 「二人を、ですね」
トスカ 「はい」
毅然として答える。怒りで何も見えてはいないが。
トスカ 「それではこれで。御機嫌よう」
スカルピア 「はい、ではまた」
これで一旦別れる。トスカは王妃やパイジェッロに挨拶をするとすぐに宮殿を後にする。スカルピアはその後姿を見送って一人邪悪な笑みを浮かべる。
スカルピア 「これでよし。さて」
ここでアッタヴァンティ侯爵のところに行く。侯爵は彼の姿を見て怯える顔を見せる。
侯爵 「あの、何か」
スカルピア 「御一緒して頂きたいところがりまして」
侯爵 「(怯える声で)ですから私も妻も何も関係は」
スカルピア 「わかっています。貴方には何の問題もありませんから。ですから」
侯爵 「何処へ行かれるのですか?」
スカルピア 「宴の場所にです」
侯爵 「ここではなくて」
スカルピア 「はい、ですからどうぞ」
恭しい動作で侯爵を引き寄せる。そうして王妃のところに向かう。
スカルピア 「それではこれより」
王妃 「吉報を待っていますよ」
スカルピア 「御安心を」
二人は笑みを交えさせて別れる。これでスカルピアは退場する。その後も宴が続くがここで伯爵が慌ただしく戻ってきた。
貴族達 「おや、伯爵」
貴族達 「どうしてこちらに」
伯爵 「火急の早馬が来ましたのでお伝えに参りました」
公爵夫人 「一体どなたに?」
伯爵 「(王妃のところに来て)陛下」
片膝をついて一礼する。
王妃 「どうしたのですか、一体」
伯爵 「これを」
こう言って一通の書を差し出す。王妃はそれを受けてみるみるうちに顔を青くさせる。
そのまま倒れる。伯爵が慌てて彼女を支え貴族達が周りに集まる。公爵夫人が書を見て彼女もまた驚きの声をあげてしまう。
公爵夫人 「負けた・・・・・・!」
貴族達 「フランス軍がですか!?」
貴族達 「いや、これはおかしいぞ」
貴族達 「では一体」
公爵夫人 「フランス軍が我が軍を破りました」
青い顔で何とか言う。
公爵夫人 「マレンゴでオーストリア軍は敗れました」
貴族達 「馬鹿な!」
貴族達 「我が軍は勝っていたのではなかったのか」
伯爵 「(苦い顔で述べる)どうやらフランス軍は盛り返したようです。それで」
貴族達 「馬鹿な」
貴
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