第三百三十七話
[8]前話 [2]次話
第三百三十七話 恋人
最後のカードを見てだ、赤音は言った。
「わかったわ」
「これで、なのね」
「わかったのね」
「それも完全に」
「そうなのね」
「ええ」
その通りだとだ、ジップとハリーに答えた。
「私の占いが確かなら間違いないわよ」
「何かそう言うとね」
「ちょっとね」
ジップもハリーも自分達の主の今の言葉には少し疑問形の顔と言葉で返した、自然とそうなってしまったのだ。
「占いについては確かに言えないわ」
「元々そういうものだしね」
「当たるも八卦、当たらぬも八卦」
「今回はタロットだし」
「こう言ったら悪いけれどご主人タロットはじめたばかりだし」
「力が発揮されきっていないかも」
「だから確かならよ」
赤音自身もこう返す。
「その場合は間違いないわ」
「何はともあえそうした答えなのね」
「そのカードが出たのね」
「そう、見て」
まさにだ、十枚目に出たそのカードをというのだ。
「よくね」
「あっ、kのカードは」
「そうね」
二匹もそれを見て頷いた、見れば。
そのカードは恋人の正だった、二匹もそのカードを見て言った。
「そうね、まさにね」
「これはこの場合解釈のしようがないわね」
「まさにね」
「そのままね」
「お姉ちゃんには好きな人がいるわ」
間違いなくとだ、赤音は言った。
「これはね」
「そうね、間違いなく」
「葵さんには好きな人がいるわね」
「それも両想いかしら」
こうも考えた赤音だった。
「カードを見てるとそう思うけれど」
「じゃあそうじゃないの?」
「もう付き合ってるとかね」
「このカードを見てたら」
「そう思えるけれど」
「そうね、どうもね」
赤音は考える顔でまた言った。
「このカード見てるとそうとしか思えないわね」
「それじゃあね」
「間違いないわね」
使い魔達も言う、その恋人の正のカードを見て。そこから感じられる答えはもうそれしかないと思ったからこそ。
第三百三十七話 完
2016・4・28
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ