11部分:第二幕その四
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妃 「他人のことよりもそなたのことです。アンジェロッティを逃がしたことは」
スカルピア 「それが何か」
思わず顔が強張ってしまう。
王妃 「それがそなたの不幸にならなければいいのですが。どうやらそなたは敵が多いようですし」
スカルピア 「(きっとした顔で)申し上げますが陛下と同じ敵だと存じます」
王妃 「私の敵でもあると」
スカルピア 「私はジャコバン派にかぶれた者達を取り締まっているだけです」
王妃 「それは私の敵でもあると」
スカルピア 「左様です。ですから」
王妃 「そなたの言いたいことはわかりました。しかし」
スカルピア 「しかし?」
王妃の次の言葉を待つ。心なしか身構えている。
王妃 「彼の者の妹は美しく裕福でしたね。誰でも知っていることですが」
スカルピアを当てつけて言う。
王妃 「それはどう思いますか?」
スカルピア 「陛下は私に何か後ろめたいことがあると仰るのでしょうか」
王妃 「さて、それは」
笑って誤魔化す。
王妃 「どうでしょうか」
侍従 「陛下」
ここに侍従がやって来る。
侍従 「そろそろです」
王妃 「時間ですね?」
侍従 「そうです。ですから」
王妃 「わかりました。それではトスカ、パイジェッロ」
トスカ 「はい」
王妃に対してパイジェッロと共に一礼する。
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