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貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
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葬儀に間に合わせた。限定Tシャツは、引き出物として弔問客全員に配られ、後日、黒君・白ちゃんを載せた限定Tシャツは、プレミアムが付いた。
最高幹部社員の手によって、棺が霊柩車に運ばれた。霊柩車の運転手が、後ろの扉を閉めようとした時、リベルが、扉を閉じるのを一時、待つ様に頼んだ。彼は、手に持っているカセットデッキに、スイッチを入れた。それは、二人が愛の交した時の流した曲で、平が一番好きな曲であった。「平!」今まで気丈でいたハーモニーが、突然、棺に泣き崩れた。哀れで痛々しい姿は、皆の涙を誘った。霊柩車は、助手席にハーモニーを乗せ、クラクションを鳴り響かせ、静かに出棺した。にがいた。皆が、無情の別れを、霊柩車に向かって泣いて合掌した。
翌日、遺族親族と、主だった関係者だけで、平の遺骨を合祀の墓に納骨した。サトが、自分の家族と最高幹部社員に、ガルシア専務が、ロベルトとダニエル校長に、合祀の墓の由来を説明した。その日、ハーモニーの願望で、遺族親族だけは、近隣のビジネスホテルに宿を取り、他の者は合祀の墓を後にした。境内が闇に包まれ、蛍たちに依る、夏の夜のショーが幕を開けた。ハーモニーもリベルも、蛍の墓のファンタジーに魅せられたが、ハーモニーの隣に平の姿は無かった。
翌朝、リベルは、ハーモニーの部屋をノックしたが応答が無く、鍵は閉められていた。不審に思い、リベルは安造に「ハーモニーの応答が無い」と、言った。安造は「ハーモニーは、昨日までの疲れが、溜まったのだ。色々、有ったからな。疲れを取る為に、暫く寝かした方が良いと思う」と、答えた。
昼を過ぎた。ハーモニーは、未だ起きて来なかった。再度、リベルとアキが、ハーモニーの部屋をノックしたが、やはり応答が無く、鍵は閉められた侭の状態だった。二人がホテルのフロントに行くと、フロント係が「ハーモニーさんは、朝早く、フロントに部屋の鍵を預け、出掛けました」と、言った。慌てて、リベルは、フロント係に、合鍵でハーモニーの部屋を開けて貰った。アキは、安造・澄子・夕子・辰之助を呼びに行った。部屋にハーモニーの姿は無く、ベッドの上に、蛍のペンダントが置いてあり、そばに置き手紙があった。部屋に、アキ・安造・澄子・夕子・辰之助が駆け込んで来た。リベルが、英字で書かれた手紙を、翻訳して読んだ。手紙には[平の処に、逝きます。蛍のペンダントは、私と一緒に、合祀の墓に入れて下さい。アキちゃんに、お願いがあります。合祀の墓に入っている(なごみ)ちゃんには、蛍のペンダントが有りません。(なごみ)ちゃんが可哀相です。桃ちゃんから貰った蛍のペンダントを、(なごみ)ちゃんに上げて下さい。リベルからアキちゃんが、新しい蛍のペンダントを貰って下さい。アキちゃんは、リベルの最愛の奥さんです]と、書かれていた。皆は、一刻を争い、合祀の墓へ急いだ。時刻は、既に午後
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