貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
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着き、平とアキは、大聖堂の大きさと壮麗さに、声を失った。カトリックの信徒であるハーモニーは、十字架に、何度も十字を切って合掌し、神に、平が無事帰還した事を感謝した。信徒・リベルも同様に、十字を切って合掌していた。無信教の平とアキも、十字を切って合掌した。常日頃、平は全ての宗教に対し矛盾を抱いていた。どの宗教も、贅沢を否定いるのに、イスラム教のモスクも、仏教の総本山も、キリスト教の大聖堂も、荘厳で華麗なのは何故だろう?建造には、困窮している信者からの寄付や寄進が、相当あるのでは?この大聖堂の建築費で、どれだけスモーキー・マウンテンの浮浪児を、食べさる事が出来るだろうか?平には、自らの糧やアクション(行動)で実行するのが、真の慈善活動で或る、と、云う信念があった。その信念は、義衛門からの継承で、日本の孤児院・蛍の家や、無償の学校・peaceful school YASUZOUにも、繋がっていた。
平は日本に帰り、老いた安造と一緒に暮らすのは、自分を育て上げてくれた、安造への感謝の気持ちだと思っていた。そして、武井興業鰍フ社長には名目でも終身、安造に留まって貰い、自分が社長に就任する考えは、毛頭無かった。ハーモニーにも自分の意志を話した。ハーモニーは快く賛成してくれた。平は、ガルシア専務とロベルト・ペレス(Roberto Perez)をオフィスに呼び、日本旅行を企画した。今回の旅行は、ガルシア専務・ロベルト・リベル・アキと、peaceful school YASUZOUのスタッフ・子供達も含まれ、皆の健康に配慮し、南国フィリピンと温度差が少ない夏場にした。平は、自分とハーモニーが日本に住み付き、フィリピンには戻らない決意も話した。次に平は、フィリピン武井鰍フ幹部社員も召集を掛け、人事構想を示した。自分は、フィリピン武井鰍フ社長を退き、社長には、ガルシア専務を抜擢、専務には、日本の武井興業鰍ゥら出向した日本人の幹部社員を、農業機械部門の重役には、フランチャイズのロベルト・ペレス(Roberto Perez)を登用、GIEMON(義衛門)ブランドの広告部長には、リベルを昇格させる内容で、peaceful school YASUZOUの理事長も、ガルシア専務が兼務するものだった。フランチャイズのロベルトに関しては、フランチャイズを辞めて、フィリピン武井鰍フ常勤重役に転移する内容だったので、ロベルトの内諾を得る様にした。
全員、ジムニーに分散して、マニラ空港のロビーに集結した。斯くして、大人数での日本旅行が始まり、子供達のハシャギ方は、尋常では無かった。平は商用で、リベルはコマーシャル撮影で年に数回、渡航していたが、他の者の飛行機の経験は皆、無に等しく、浮足立っていた。一発の銃声が、ロビーに鳴り響いた。平がロビーに倒れた。銃弾は、平の腹部を貫通していた。ロビーの
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