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貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
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ハーモニーの体は小麦色に輝き、以前と寸分の違いも無かった。胸に、蛍のペンダントが光っていた。ハーモニーは、平の帰りを心待ちし、絶えず自分の体を鏡に映し、体型に気を配っていた。その夜は、朝まで愛の交歓を繰り返し、その度、ハーモニーは「良かった?」を、繰り返し連発した。平は、消えたハーモニーの乳房と腕に、改めてキスマークを付けた。
昼頃、平が起きて食堂のテーブルを見ると料理が置いてあった。料理は、赤飯と七面鳥料理だった。赤飯にはマヨネーズで[たいら・おめでとう]と、平仮名で書かれていた。首を傾げると、和洋折衷の祝料理だった。ハーモニーは、ダウン症の桃子から教わった日本語の歌を、口遊んで上機嫌だった。平に気付くと「昨夜、一杯、愛の交感してくれて有り難う。平、大好き」と、言って抱き付き、大粒の涙を零していた。ハーモニーは平の帰還が、余程、嬉しかったのだ。翌日、平とハーモニーはpeaceful school YASUZOUに行った。教室には、千羽鶴が飾られていた。平の帰りを待ちわびる子供達が、アキの手解きで、折った物だった。「父さん、お帰り」の、子供達の連呼だった。以前から平は、子供達に日本語を教えていたので、自然に子供達が平を「父さん」、ハーモニーを「母さん」と、日本語で呼ぶ様になっていた。甥のMasayoshiが、犬に追われ泣いて来た。アキはMasayoshiを、他の子供達と分け隔てしない方針で、育てていた。それは、孤児のアキが、蛍の家での経験に基づき考えで、同じく孤児だった校長のダニエルの、指針でもあった。アキがハーモニーに「昨日、キスマーク付けて貰った?」と、聞き、ハーモニーが嬉しそうに頷いた。二人は、互いのキスマークを見せ合った。校長のダニエルが、訝しげ(いぶかしげ)に二人を、見ていた。平は、久方ぶりの子供達との遊びに、満喫していた。夕方、子供達が、車の窓ガラス拭きの仕事に出掛け始め、平も同行して窓ガラス拭きを手伝った。
一週間程して、この国の文部大臣がpeaceful school YASUZOUを訪れ、旧政権の失態を、平に陳謝した。文部大臣は、お詫びにpeaceful school YASUZOUへの協力を申し出たが、平は丁重に断り、他にも生活に困窮している人は、沢山居るので、そちらに回して欲しいと、要望した。平は、自ら開設した慈善施設は、他力本願はせず、自ら稼いだ力で、運営するのが責務だと思って、他所からの寄付も辞退していた。それは、日本の蛍の家の考えと、安造の考え同様だった。夜、コンドミニアムに戻ってハーモニーは、平と一緒にマニラ大聖堂に行く事を提案した。マニラ大聖堂は、この国のカトリックの総本山であり、世界遺産であった。平はpeaceful school YASUZOUに電話して、リベルとアキを誘った。26
翌日、四人はマニラ大聖堂に
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