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貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
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った。リベルは、自分自身を、武井興業鰍フ家族だと考えていた。
要約、リベルのコマーシャル出演も一段落付いて、三人はフィリピンに帰る事が出来る様になった。帰国の話を聞いて、アキは塞いでいた。前夜、安造は意味深な夢を見た。その夢は、平とハーモニーの真ん中に幼児が居て、三人は手を繋いで居た。真ん中の幼児は安造だった。三人とも、何処となく寂しそうだった。少し進むと、道は、二つに分かれていた。ハーモニーは一人、左の方向に進み、平は一人、右の方向に進み、幼児の安造だけが、その場に取り残された。安造は、涙を流していた。二人が各々、左右の道を進んで行くと、道は合流し、その場所には、合祀の墓が有った。二人の姿は二匹の蛍に変わった。良く見ると、道はハート形で、二人が合流した所は、ハートが、上部で交じる箇所だった。安造は、魘されて(うなされて)飛び起きた。同時に、嫌な胸騒ぎを感じた。平とハーモニーとリベルは、空港に向かった。安造は「平の後ろ姿を見るのは、辛い」と、言い、屋敷に一人で残った。平は、親仁も、歳を取って涙もろくなったな。と、思った。空港では、幹部社員は元より、蛍の家の全員が三人を見送り来た。アキが涙を流し、リベルの手を離さなかった。そして、三人は出発口に入っていった。搭乗ゲートに着くや否や、ヘビースモーカーの平は、リベルを誘い、喫煙ルームに行ってしまった。一人、搭乗ゲートの席に残されたハーモニーは、落ち着かない様子だった。(しか)して、三人の乗ったマニラ行は、成田空港を離陸した。眼下に、幾つものゴルフ場が見えた。「専務は、ゴルフを遣りますか?」と、リベルが聞いた。「嫌いだから遣らない」と、平が答えた。「何故ですか?」と、リベルが訊ねた。平は「日本の平野は、国土の25%で、極めて少ない。日本の食糧自給率は40%だ。日本の首相も最、自給率を増すべきだ。と、言っている。この広大なゴルフ場を、食糧生産に当てたら、日本の食糧自給率は相当伸びる。全てのスポーツの内、ゴルフ場が、一番広い競技面積を必要としている。以前、ここには、狸や狐も住んでいた。熱帯雨林の森林伐採で、他国の生態系の崩壊を批判して、自国ではゴルフ場を造って、生態系を壊している。自給率を増すべきだ。と、主張している首相が、自ら、ゴルフ場でゴルフをしている。矛盾だらけだ。ゲートボールで充分だ。ゴルフを遣りたいなら、生態系を壊さない、サハラ砂漠やモンゴルの草原で遣ったら良い。ゴルフ場で食糧生産すれば、腹を空かしているスモーキー・マウンテンの子供達の食糧を、どれだけ作れるか?俺は、ゴルフ場には加担しない」と、言った。[だからGIEMON(義衛門)は、ゴルフウエア―を作らないのだ]と、リベルは悟った。
三人はマニラ空港に到着した。出し抜けの帰国であった。平は、GIEMON(義衛門)ショプやフィリピン武井鰍フ業務に差支える
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