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貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
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一色だった。ミッキーマウスやドナルドダックが、サンタクロースの衣装で出迎え、皆と記念撮影をしてくれた。テーマパークには、若いカップルも沢山いた。子供達の喜び方は、尋常ではなかった。ハーモニーとリベルは、テーマパークの煌びやかさに、圧倒されていた。アトラクションは、大人同伴の乗り物が多く、平とハーモニー・リベルとアキ・辰之助と夕子は、カップルで乗る事を諦め、子供達の同伴で乗った。高齢の安造だけが、アトラクションの乗り物に、タジタジだった。テーマパークのキャラクターに依るパレードが、ミッキーマーチのリズムに乗って遣って来た。ミッキーマウスやシンデレラ姫やピーターマンなど、テーマパークの人気者が、続々、仮装した車に乗り、隊列を組んでいた。コミカルで愉快なパレードに、皆は笑いこけた。夜になり、ナイトショーが始まった。やっと、各々のカップルになれた平とハーモニー・リベルとアキ・辰之助と夕子は、互いに、肩を寄せ合って観覧した。ナイトショーのイルミネーションは格別に美しく、全員が、酔いしれていた。その夜は全員で、テーマパーク周辺のホテルに宿泊したが、蛍の家の子供達は、中々、寝付かず、遅くまで騒がしかった。中には、平とハーモニーのベッドまで、潜り込んで来る子供も居た。テーマパークで、子供達と一緒にアトラクションに乗ってので、初対面のハーモニーとリベルは、完全に、子供達と打ち解けていた。あくる日の午後まで、テーマパークで遊び、夕方、全員で蛍の家に帰った。蛍の家には、子供達の手作りの、クリスマスツリーが飾って有った。澄子・桃子・夕子・アキの四人と、年長の子供が、共同で、テーマパークで買い揃えたクリスマスケーキを、食堂のテーブルに並べた。十数個のクリスマスケーキの上には、テーマパークの様々なキャラクターが飾ってあった。年少の子供が、キャラクターの奪い合いを始めた。蛍の家の卒業生の夕子と、年長の男子が、仲裁に入った。女の子が猫を抱いて走り回り、男の子が犬を追いかけ走り、さながら蛍の家は、子供達の戦場だった。傍ら(かたわら)で、卒業生のアキが、乳児のオムツを替えていた。育児経験が無いハーモニーが、感心しながら、アキを眺めていた。平が、清楚で物静かな三十歳前後の女性が、蛍の家に、一人増えている事に気が付いた。澄子の聞いてみたら、名前は真理子と云い、赤子の養育が出来ないので、赤子を蛍の家に残し置いて、立ち去った女性であった。彼女は、心変わりして蛍の家に戻り、今は澄子と桃子と一緒に働き、細断野菜の仕事にも従事いているそうだ。彼女は、自分の赤子と、蛍の家にもう一人の赤子が居るので、今回のテーマパークに行くのは断念し、育児と留守役に専念していたそうだ。平は、義衛門の手記に書かれた母・静の、正門に置き去りにされた光景が、脳裏に甦って(よみがえって)いた。ハーモニーとリベルは、テーマパークで子供達
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