絶対待ってるからな!
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「……ゃん!………みちゃん!…………心美ちゃん!」
私は誰かの声を聞き、暗闇から目を覚ます。
「うぅぅ……秋ちゃん?」
「良かった気が付いたんだね!心配したよ!」
「私は………。お兄ちゃんは…、秋ちゃん…お兄ちゃんは何処……」
「っ………!雷藤くんは………!」
私を見ながら必死に話そうとする秋ちゃんから、涙が溢れる。
私は秋ちゃんの顔から視線を逸らし周りに視線を向ける。
「くっ……うう……」
「くそっ!…なんであいつが…雷藤が消されなきゃなんねぇんだよ……!!」
秋ちゃんの後ろでは円堂くん、染岡くんを始めメンバー全員から涙が溢れていく。
私は………私は……………。何も出来なかった……!!
そう思うと自然と涙が止まることなく流れて来る。
「私は………私は………。うわあああああああああ!!」
身体中が震え、言葉では表せない虚無感が私を襲う。
「ひっく…ひっく………。私はこれからどうすればいいの……。教えてよ…お兄ちゃん………」
そんな時、私を暖かい人の身体が私の震えを抑えた。
「大丈夫よ…心美さん…」
私が顔を上げると、そこには瞳子監督がいた。
私を包んだ温もりは瞳子監督の温もりだったみたいだ。
「大丈夫………?」
私はまだ涙が止まらない中、震え声で瞳子監督に問う。
「ええ…。雷藤くんは消えていないと思うわ」
その言葉にメンバー全員が顔を上げた。
「そ、それは本当ですか!?」
円堂くんが瞳子監督に向かい話す。
「雷藤くんは消されたのではなく、多分飛ばされたんだわ」
「飛ばされた…?」
「考えてみて。彼ら…エイリア学園は黒いボールの光が放たれた時、姿を消しているわ。多分、自分たちの基地に戻っているんでしょう…。ならばあの黒いボールに巻き込まれて姿を消した雷藤くんは何処に行ったと思うかしら…?」
「…まさか!?」
「ええ。そのまさかよ。雷藤くんはエイリア学園の基地に飛ばされた可能性が極めて高いわ」
「そ、それじゃあお兄ちゃんは……!?」
「無事だと思うわ…」
私はその言葉を聞いて安心すると力が抜け椅子に座り込む。
「良かった…良かった………!」
私は一生分の涙を流したんじゃないだろうか、と思う程涙を流し落ち着きを取り戻すと会話に戻る。
「それにしても二度もこんな負け方をするなんて…」
夏未ちゃんが放ったその言葉を聞いて思い出したように染岡くんが話す。
「なんなんだよ!今日の監督のあの作戦は!あれじゃ、どうぞ点を取って下さいって言ってるみたいなもんだろ!」
染岡くんの怒号に鬼道くんが冷静に話す。
「待て染岡。…落ち着いてよく考えてみろ」
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