33話 所業の残骸 3.2
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掛かりをさがしているんだろ!」
「で、です・・・一つ、探してみたいところがありまして・・・」
ミケルがキキから受けた情報の中でおぞましいことを思い出していた。
カレンもミケルの嫌な直感を信じたくもないが、そこになければ生存しているとも言える。
「・・・分かった。キキ、エレドア」
「なんだい?」
「カレンさん?」
「・・・隊長が居ない事を祈って廃棄場に行くぞ」
キキ、エレドア共にゾッとした。カレンとミケルは足早にその区画へと向かった。キキ、エレドアもそれに従った。
ミケルたちが廃棄場の扉の前に立った。エレドアが傍の開放パネルを操作すると施錠が解けた。
「よし!開けるぞ」
カレンが重い扉をゆっくり開けると、目の前に仰向けになった全身焼け爛れた四肢が欠損した人が目立つように転がっていた。
「あ・・ああ・・」
シローが新鮮な空気を肌で感じた。4人共その転がっている瀕死のシローにゆっくりと歩み寄った。
そして4人共その場内の異常なほどの死臭に口を押えた。
「うぐっ・・・」
「う・・・おえ・・・」
シローはその嗚咽の声らに反応して、声を微かに出した。
「あ・・・ミケ・・・ル・・・」
その声を4人とも聞き逃さなかった。
「た・・・・隊長!」
カレンがシローに歩み寄って、シローの状態を確認した。
「(こいつは・・・マズい。壊死なりかかっている。冷却してモルヒネを打つか)」
カレンは手早く、手持ちの医薬品でまずきつい麻酔を投入して、シローを眠らせて、四肢の欠損部分を冷却材で凍らせた。
ミケルとエレドアはシローを抱え、5人はその場を後にした。
* ネェル・アーガマ 医療処置室
運ばれたシローは爛れた皮膚全てに保護膜を貼られ、点滴を打ち、バイタルを安定させた。
「だが、まだ予断は許されんな。今夜持てば・・・」
艦内の医師がミケルら4人に告げた。そして医師からシローは目が刳り貫かれていることも話され、カレンは激高した。
「うおおお!ティターンズめ!鬼畜以上の所業をして世界を統治するか!」
ミケルもエレドアも同じく怒りに狂っていた。
「ああ、あいつ等はぜっていぶっ殺してやる!」
「ええ、彼らには相応の報いを与えてやりますよ」
キキがそんな3人を見て、とても怖がっていた。キキは横たわるシローの傍で泣いていた。
するとシローの口が動き、とてもゆっくりとはっきりした声で言った。
「・・・みんな・・・それはだめ・・・だ。テロは・・・話すこと・・・大事」
その発言最中、静寂な空間にいるようだった。3人共その声に気分がクールダウンした。
キキも「シロー・・・」と喜び泣きじゃくっていた。
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