33話 所業の残骸 3.2
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奴らは我々の優位性をこんな愚かなことで覆そうと考えている。これは我々にも責任がある」
ヘンケンはバニングの話に頷く。ここまでの快進撃はティターンズの練度の差によるものでもあった。
エゥーゴに参加しているメンバーの大抵がほぼ激戦をくぐり抜けてきた勇士たち。片やティターンズはそんな正義感強い勇士たちを引き入れることができずに独自で練度を高めていった者たちで構成されていた。
サイコフレーム技術やニュータイプ論が流布されている昨今、事情を重くみたティターンズ上層部が取った行動がこの研究機関だった。
「そうだな。申し開きは後でするとして、結果を得て上々としようか。中佐、直ぐにでも制圧隊を組織できるか?」
バニングは「30分も有れば」と答え、ヘンケンは了承した。
ミケルもすかさず参加の意思をバニングに伝えた。
「僕も同行します!」
その発言にカレン、エレドア、キキも同調した。
「あたしらも行くよ!」
バニングは彼らに尋ねた。
「貴方達の元上官はあそこにいるのか?」
その問いかけにキキが答えた。
「うん!私が見た。シローがあの施設で囚われ、アイナさんも・・・」
「アイナさん?」
バニングの疑問にミケルが代わりに答えた。
「・・・元上官、シロー・アマダの伴侶です。彼女も一緒に囚われました」
「そうか・・・、分かった。貴方達の上官が証人ともなろう。それは貴方達でしか彼を知らない。一緒に探すの手伝っていただけるかな?」
バニングが4人に逆に協力を要請した。4人は快諾した。
* ムラサメ研究所 研究棟内 第5研究室
ミケルら4人は制圧した研究所内をかけずり回っていた。
制圧と言っても、ほぼもぬけの殻だった。今思えば簡単な話だ。
エゥーゴが既に極東含めアジア圏内を解放し終わっており、この研究所もティターンズ傘下であるが故撤収されていた。
その中で資料を漁っていた。しかし研究資料もほとんど消却されていた。
「立つ鳥後を濁さずか」
エレドアがそう呟く。カレンがいら立っていた。
「ええい。どこかに、アマちゃんの行方があるはずなんだ!」
ミケルも広い施設を駆け回って、ここまで何もないとと途方に暮れていた。
「(・・・うーん、行方か・・・。研究員も何も人体実験していても被検体となる人もいない。一体どこに?)」
ミケルがそう考えると、一つ最悪のケースを思いついた。
「・・・カレンさん」
ミケルが暗い顔をしてカレンに語り掛けた。
「なんだ!その顔は!」
「あのう・・・被検体も含めて皆撤収されたようですね」
カレンは分かりきった事を言うミケルを叱りつけた。
「そんなこと知ってるわ!だから今隊長の行方の手
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