2部分:第二章
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ったんや」
不意に探しますと。
母のベッドの布団の中です。そこで気持ちよさそうにくつろいでいます。
「また布団に毛がついて」
母は苦笑いするばかりです。布団も服も毛だらけになる一方です。
夏になると虫を見て。ちょっかいを出そうとします。
人間の目には見えない虫をじっと興味深そうに見たり。きちんと座って見るその姿が可愛いと言えば可愛いのですがそれがすぐに悪さに向かうのです。
夏は余計に大変で猫を捕まえて虫を家の外に逃がしたり。捕まえていると凄い形相でこっちを睨んで目で言ってくるのです。
「離せ!」
と。顔で何を言っているのかわかる猫はそうはいないのではないでしょうか。
今も家の中で好き勝手です。人の部屋にも平然と入ってきます。
こうして書いている時にやって来てまとわりついたり。とにかく起きている時は誰かが側にいないと駄目なのですから本当に大変なのです。
家の中で飼っているので外には出ませんが窓の風景を見るのは好きです。じっと外を見詰めて時間を過ごすことも少なくありません。
何だかんだで楽しく癒される日々を送れています。しかしどうしても気になることが一つだけあります。
何でも食べるなと。それだけは言いたいです。とにかく何でも口に入れるのです。
時々吐いたりするのですが出て来るのはダンボールとかそんなものばかりで。身体にもよくないのでそうしたものは控えて長生きして欲しいものです。最早家族の一員ですから。自分では家の支配者と思っていて家族は家来だと思っている暴君ではありますが。
暴君の来訪 完
2007・4・16
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