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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
58 戻橋
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テリーとか持ちやすさとか、細かいところをマイナーチェンジして欲しいんですけど」
「おぉ、お嬢さん方も坊っちゃんと同じで若くして、しっかりと自分の意見を持っていらっしゃる」

メリーには幼くして、周りに流されない判断力というものを持っていた。
もちろん歳相応の洋服であったり、アクセサリーにも興味はあり、実際にさっきは彩斗の服についてもいろいろ勧めてはくるが、その素材やデザイン性がその価格に見合うものなのかを冷静に判断した上での行動なのだ。
そんなメリーからすると、不必要なくらいの性能のものを毎年モデルチェンジと価格改定を繰り返し、莫大な予算を使って宣伝して、消費者の購買意欲を煽るというスタンスの商売には疑問を覚えていた。
そんなメリーに対して、アイリスは違う意味で微妙な感じを覚えていた。

「しかも寿命が来て、パーツ保有期間も過ぎていたら、修理できないなんて…」

ネットナビでありながら人間としての体を持っている、正確には人間でありながらネットナビも活動できるメリーと違い、100%ネットナビであるアイリスにとってはパソコンやPETのような機械は、いわば自分の家だ。
人間なら一生に一度の大きな買い物、一番落ち着く場所なり、帰るべき場所となる。
同じ場所に帰る場所があるという安心感というのは、ネットナビである自分でも安心することだ。
しかし今の理屈からすれば、その家がメーカーが次々と新製品を作り出していく中で、過去の商品はまるで無かったかのように、修理することもできない。
自分たちネットナビがどれだけ人間の都合でいとも簡単に居場所を無くしてしまう存在なのかを思い知らされた気分だった。

「結局、長く使おうと思ったら、精度こそクォーツには敵いませんが、機械式になってしまいます。それもできれば、多少のカスタムやチューニングがされていても、ベースが汎用ムーブメントのものを。パーツが無くなる心配が少ないですし」
「最終的には、電気も半導体も使わない、昔ながらのトラディショナルなものが一番長持ちするわけだね。事実、だからこそ、スマートウォッチやトランサーみたいな便利なものが出てこようと、作り続けられているわけだ」
「私もこいつとは長い付き合いですがね。未だにいい働きをしてくれてますよ」

久鉄は自分の腕のボールウォッチ・トレインマスター キャノンボールを見た。
グレーダイヤルにアラビア数字のインデックス、ブルーの秒針と45分積算計を備えたクラシックな雰囲気を纏ったクロノグラフで独自の耐震・耐磁構造を備え、ルーツである鉄道時計に恥じぬ精度を持つ。
ベースが汎用ムーブメントのカスタム品であり、修理のパーツはそう簡単には無くなりはしないため、確かに長く使える一品だ。

「しかし坊っちゃんがお選びになる時計はいつもいい時計ばかりだ。店
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