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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
58 戻橋
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れているものではあるが、今はネットが使えないせいか、いつもより多く刷られている。

「新モデルがもうすぐ発売か」
「何がです?」
「トランサーの後継機、I.P.Cから来月発売される。えっと…スターキャリアーだって」
「次々出ますね、去年はトランサーでその前がリンクPETエクシード。毎年毎年コンスタントに発売する必要あるんですかね?」

新しいものに心を躍らせる彩斗にメリーは少々冷ややかな視線を向けた。
メリーは正直、現行の機器の性能に不満を感じてはいなかった。
性能はもう飽和状態、一般的な使い方をする人々には必要のないものだ。
性能を上げ過ぎた結果、バッテリー持ちが悪化したり、発熱が酷いといった症状を起こすことも多い。
もちろん性能を求める人々向けの製品は出し続けても構わないが、一般の人々向けの端末に関しては、性能はもう十分だから、バッテリー持ちであったり、持ちやすさであったりといった部分に力を入れて欲しい思っていた。
メリーは予約の列に目をやる彩斗の腕を引っ張り、アイリスとともにエスカレーターに乗った。

「ほらほら予約しませんよ!上に行きますよ!」
「あっ、うん…」
「もう…何が新しくなるっていうんですか?」
「えっと…画面のサイズはそのまま30%のサイズダウンと25%の軽量化…あとネットナビとウィザードを管理するシステムが一新されて、ナビのメンテナンスやエラーチェックが通常の4倍に」
「それはナビには嬉しい」
「あと…マテリアライズ機能が追加になる」
「え?マテリアライズって…」
「サイトくんの…」
「そうだね。それがこの機器で手軽に行えるようになるらしい」

メリーとアイリスは思わず顔を合わせた。
今でこそ失われたが、マテリアライズは数日まで彩斗が身につけていたものだ。
電波を物質に変換する、そんな夢の技術が身近になる。
今までは限られた人々の限られた用途にしか使われていなかったが、これにより資源の問題が大きく発展するだろう。

「電波は電磁波の一種だし、電磁波も突き詰めると粒子の性質を持っている。そして粒子は物質の構成するもの。夢のテクノロジーが今や家庭に1台どころか、1人1台の時代になるっていうことだね」
「サイトくん、買うの?」
「予約はしたい。でも買うか買わないかは、いろいろ見てからかな。どうせ、発売前に詳細が流出するし、実際にマスコミ向けに展示会とかが開かれて実物を触った記者のレポート記事とかが出てくるから」
「なっ、なるほど…」

彩斗はどこか心ここにあらずといった顔を浮かべていたが、心の中では微妙な心境だった。
これは今や世界中の共通の課題である食料・資源の問題は抜本的に解決しかねない勢いだろう。
しかし同時にかなりリスキーだ。
テロリストの手に渡れば、枯渇してい
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