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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第39話 牢屋
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妙なラインがはっきりしない。
「私だ......君に計画を邪魔された」
「!木山か?お前」
牢屋を照らす電灯が揺らめきながらサソリは木山の顔を朧げながら確認した。
視覚情報というより認識から入った確認だったので、予想よりも早い。
更に、目の下の隈が酷くなっている。
まるで死人のようだ。
あのレベルアッパー事件から二週間程が経過している。
「何でお前がここに居る?」
「それはこちらのセリフでもあるのだが」
「女が泳いでいる所を覗いたという疑いが掛けられただけだ」
サソリは恥ずかしげもなく言った。
「やってしまったのか......」
「やってねぇよ」

木山は隈だらけの目を見開いて頭を下げた。
あの時の私の忠告が原因か?
赤髪君が頭に花を咲かせた女の子に変装した時。

今度は女性の羞恥心でも学ぶ事を勧めておく

まさか、赤髪君はこの忠告を間に受けて覗きを......
確かに覗きなら、バレたら女性の羞恥心の良き反応は期待出来るし
バレなくても、女性の身体をじっくりと見ることが出来る
彼らしい理に叶ったやり方だ
彼も小さいとはいえ、男性だ
女性の身体に興味を持つのは仕方ないこと......
ただ、元教師としてそんな不埒な行為を見過ごす訳にはいかない。
ここははっきり注意しなければ

「赤髪君!そこで正座をしなさい。覗きはいけないな」
「だから、やってねぇって言ってるだろ」
牢越しに二人の人物が言い争う。サソリは事の発端から事件の概要を掻い摘んで説明した。

「なるほど......眼鏡を掛けた男に嵌められたと......」
「そうだ。あの野郎め」
「しかし、それでも中学生の水着姿を見たことに変わりないな」
「勝手にしろ。ガキには興味ねぇよ」
サソリの言葉に木山は首を傾げた。
手入れが行き届いていない癖っ毛が大きく揺れた。
「まさか、私が狙いか?」
両腕で自分の身体を覆い隠して、機械的に身体を揺らした。
「しねーよ!いい加減にしろよ」
「そうか。君の好みはもっと年上か......」
隈だらけの眼で木山は天井を見上げた。
何日かぶりにマトモな会話をしたような気分だ。

「お前さ......研究者だっただろ?」
サソリが不意に木山に質問した。
「ああ」
「じゃあ、大蛇丸っていう奴を知っているか?」
「おろちまる......?」
木山は記憶を探りだすように顎に手を当てた。
「アイツも関係しているはずだ」
「その者は学者か何かかい?」
「それに近いな。確か不老不死の研究をしていたはずだ」
「不老不死か......漠然とし過ぎてなんとも言えないな」

木山ほどの研究者でも、大蛇丸を知らないとは......偽名でも使っているのか。

「そうか」
サソリは手掛かり
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