プロローグ
[1/3]
[1]次 最後 [2]次話
退屈な毎日、退屈な日常、退屈な生活。
現代日本に対して、俺は希望を見出すことが出来ない。
自分たちの都合でしか動かない政治家。
自分たちの理想や体裁を押しつける両親。
この世界に、希望は無い。
携帯のアラームとして設定しておいたマナー音で、俺はゆっくりと目を覚ます。
俺は携帯を開きマナーを止めると、時間を確認する。
現在の時間は8時15分。
あと少し寝れるが、まあ妥当な時間だ。
俺は布団から出ると、冷蔵庫から野菜ジュースのペットボトルを取り出し口にする。
俺は九条 焔(くじょう ほむら)。
名前を付けたのは母方の祖父で、響きで決めたそうだ。
この話を聞いた時、豪快な祖父らしいと納得してしまった。
俺は今、専門学校に通うため一人暮らしをしている。
一人暮らしだと何かと栄養素が不足するため、少しでも補うための野菜ジュースだ。
俺自身、野菜ジュースは嫌いではないため丁度良い。
俺はペットボトルを冷蔵庫に戻すと、朝食を食べることもなく顔を洗い歯を磨く。
それが終わると、Tシャツにジャージを脱ぎ捨て、着替えていく。
黒のTシャツを着てデニムを穿くと、薄い上着を着る。
今の季節は春。
間もなく、初夏に入ろうという時期だ。
とは言っても、俺の住んでいる県は初夏でも結構暑くなる。
これぐらいが丁度良いのだ。
俺は携帯と財布をポケットに突っ込むと、鍵を手にして部屋を出る。
駐輪場に停めていたマウンテンバイクに跨ると、ペダルを踏み込んだ。
ここから俺の通う専門学校まで、15分程だ。
急げば、10分もかからない距離だ。
だが、時間に余裕があるのにそんなに急ぐのもバカバカしいので、ゆっくりと漕いで行く。
俺の通う専門学校は、俺の住んでいるK県ではわりと有名だ。
当然、様々なコースがあるが、俺はIT関係を主に学んでいる。
この学校に進学したのも、人に言うほどの理由があるわけでもない。
ただ単に、あんな父親のいる家を早く出たかった、というのが最大の理由だ。
俺は父親を蔑視している。
傲慢で自分勝手で、自分で出来ることも人にやらせる。
人にやらせるくせに、それで失敗したらバカみたいに激怒する。
なら、最初から自分でしろよと何度思ったことか。
昭和時代には恐らく多かった、一家の大黒柱、亭主関白の姿なのだろう。
だが、今の時代にそんなものは通用しなくなってきている。
時代の変化と共に、人の考え方も変わってきているのだ。
時代の流れに対応できない、旧い存在。
だが、そもそも亭主関白というのは、あれこれと人に指示だけをして自分はふんぞり返ってい
[1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ