本来の力
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タンッ
彼が右往左往していると、その背後に着地音が響く。彼はその音に反応して振り返るが、正面を向いた瞬間、自身の腹部にカミューニさんの蹴りが入った。
「ぐっ!!この!!」
蹴りを受けたノーランは怯みそうになるのを懸命に耐え、拳を振るう。カミューニさんはそれを予測していたらしく、頭を下げてすんなりと対応していた。
「くそっ、どこにいやがったんだ」
ぼやくように呟く悪魔。彼は今自分に攻撃を食らわせた青年がどこにいたのかわからず困惑の表情を浮かべている。
確かにカミューニさんをノーランは捉えられていなかったと思う。その理由は、彼の回避の行動にあった。
盾を用いて敵の攻撃を防いだノーランは、それで自身の動きを見えないようにし、死角から現れるという戦法を取ったんだと思う。しかし、その死角にするための盾を、逆に利用された。
カミューニさんはノーランが見えるよりも早く、ジャンプしてその盾を乗り越えようとしていたのだ。その後にノーランは後ろから姿を見せたため、敵がいないという現象に見回れ、周囲を見回していた。彼が慌てている間にカミューニさんは空中から地上に着地し、逆に奇襲を成功させたといったところだろうか。
「それで四天王に勝てると思ってたのか?バカなんじゃねぇ?」
「チッ」
真面目な顔で相手の心を抉り取ろうとするカミューニさん。ノーランは予想と違う展開になっていることと、彼の言葉の方が正しいと感じ始めているらしく、小さく舌打ちをする。
「波動砲・・・槍の章!!」
引いた右腕を突き出し、敵目掛けて槍を放つカミューニさん。ノーランはそれを見切り、体を反らせて魔法を交わす。
「波動拳!!」
「なっ・・・」
しかし、ノーランのその動きはカミューニさんの予想の範疇・・・いや、むしろ狙い通りの動きだった。槍を交わしたノーランに、カミューニさんは一気に駆け出し、反らした上体が戻ってくる反動を利用して頭部に強烈な一撃を打ち込むカミューニさん。食らったノーランは、その威力に押し負け転倒する。
「波動砲・・・斬の章!!」
倒れた敵に容赦なく斬りかかるカミューニさん。目の前に剣が迫っていたノーランは、倒れた体勢のまま地面に手をつけると、頭跳ね起きの要領で波動の剣を振るう深紅の男を飛び越える。
「くあっ!!」
カミューニさんを飛び越えたノーランは床のタイルを一枚引き抜くと、それを後ろ向きに敵に投じる。そのタイルは雷撃へと変換され、カミューニさんへと襲い掛かる。
「おわっ!!」
距離が近かったこともあり、避ける暇もなく雷を浴びるカミューニさん。彼はそれに怯み地面に膝をつける。
「調子乗んなって・・・言ってんだろ!!」
片膝をつき身動きがとれないカミューニさんに飛
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