本来の力
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めているそれは、カミューニさんの魔力と遜色ない・・・いや、むしろ越えているくらいかもしれない。
「消え失せろぉ!!」
力を高めたノーランは、姿勢を低くすると、後ろに引いた足で床を思いきり蹴り飛ばす。
「な・・・」
「早〜!!」
「野郎・・・一瞬で・・・」
一度だけ・・・たった一度の蹴りでカミューニさんの懐へと入り込んだノーラン。信じられないほどの速度で敵に接近したその瞬発力に、“速い”以外の言葉が見つからない!!
「現れろ・・・無限の槍よ!!」
カミューニさんの目の前にやってきたノーランは、体術で応戦するのかと思いきや、地面に手をつき呪法の体勢へと入る。彼が手をつけた地面からは、無数の槍が敵を刺そうと伸びていく。
「「「カミューニさん(くん、カミュ)!!」」」
敵の技の激しさに三人の声が被る。当たったら一溜まりもないないほどの攻撃力があるように見えるノーランの呪法。それも、あれほどの至近距離で放たれたら、交わすことなど不可能だ。
「ほいっと」
そう思っていた俺やラクサスさん。しかし、その予想は覆される。顔を、体を、全身を刺そうと伸びていた大地の槍。それをカミューニさんは、曲げられた足で一本目を防ぐと、他の槍を巧みなフットワークで次々に回避していく。
「!!」
すべての槍を交わされたノーランは次なる攻撃に転じようとするが、それよりも先にカミューニさんが攻撃を行う。
「波動砲・・・斬の章!!」
「がはっ!!」
軽やかなステップからノーランの頭上に飛び込んだカミューニさんは、剣を作り出し斬りかかる。ノーランは攻撃を放とうとしていたこともあり、避ける動作に入るのが遅れ、体を波動の剣が切り裂いた。
「波動砲・・・」
魔法を当てた直後、すぐさま後方に下がりつつなおも攻めようとしているカミューニさん。だが・・・
「やらせるか!!」
彼にいいようにやられっぱなしのノーランは、発動する前に叩こうと痛む体にムチを打ち、下がる彼を追いかける。
「矢の章!!」
「無駄だ!!」
波動の弓と矢を作り出したカミューニさんは、それを手早く引いて矢を放つ。ノーランはそれに対し、さっきの自分の攻撃をカミューニさんが弾き、天井に亀裂が入った際に床に広がった残骸の一つを蹴り上げ、己の呪法で盾にして攻撃を防ぐ。
(次が来る前に仕留める・・・!?)
矢が当たった瞬間、盾を視覚を遮る壁に利用しながらカミューニさんに不意打ちをしようと迫るノーラン。だが、肝心のその男はすでにその場にいなかった。
「どこだ!?」
立ち止まって左右を見回すが、目に入るのは動けない俺とラクサスさんとセシリーのみ。標的である同じBIG3の称号を持つ青年の位置を特定することができない
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