本来の力
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囲の壁を揺らし、ヒビを入れていく。
次第に高まっていく力。それが最大限に上がり切った時、両者はその力を解放し、敵に向かって駆け出す。
「ハァッ!!」
「フッ!!」
同時に振るわれた拳。それは相手のそれとぶつかり合い相殺される。だが、ここからの行動は全く違っていた。
ガシッ
重なりあっていた拳を深紅の男が先に開き、相手の硬く握られた拳をホールドする。彼はその掴んだ腕を回転させると、ノーランは何もできずに宙に浮かんだ。
「波動波!!」
「くっ!!」
逃げ場のない空中に浮かんだ悪魔に手のひらを向け魔法を放つ。相手はそれに体を捻りながら正面を向くと、腕をクロスさせて一撃を防いだ。
「波動砲・・・球の章!!」
続けざまにノーランにサッカーボールほどの大きさの波動の球体を作り、足を踏み込み投じる。
「甘い。はっ!!」
それに対し空中にいまだ浮いていた男は、腕で空気を切る。すると、カミューニさんの放った球体は真っ二つに分断される。
「初見でこいつは交わせまい!!」
着地すると同時に再度腕を振るわせる緑の男。彼のこの魔法は俺もラクサスさんも初見では交わせず、もろに受けてしまった。そのため、自信をもって彼はその魔法を打ち出したのであろう。しかし・・・
「波動拳!!」
カミューニさんは魔力を纏わせた腕を体の前で振るわせる。すると、見えないはずの一撃が軌道をずらし、天井に大きな亀裂が入った。
「はっ!?」
これには魔法を打ち出したノーランも驚愕するしかない。彼のこの魔法は俺でも捉えることができなかった。不調なのも原因の一つではあるが、それでも全く見えないというのは、よほどの早さがある攻撃ということか、はたまたラクサスさんの種明かしてくれた通りのガラスならば、相当な透明度を持っているということだと思う。
なのに、カミューニさんはそれを苦にすることなく、あっさりと弾き飛ばして見せた。それを見せつけられたら、敵も味方も関係なく、驚くのは無理ないだろう。
「初見で・・・なんだって?」
先程のノーランの発言を覆したカミューニさんはしてやったりのドヤ顔を浮かべていたりする。そういうところは、子供っぽい人だよね、この人。
「一撃防いだくらいで・・・調子に乗んなよ!!」
余裕な表情を見せていたカミューニさんにイラっと来たのか、ノーランは全身にオーラを纏わせ始める。その力は大きく、力強くて、彼の周りの大気が大きく揺れていた。
「何・・・この魔力・・・」
「呪力って言ってたよ〜」
彼の秘められていたその力に思わずそんな言葉が漏れる。冥府の門が使う力は、俺たち魔導士が持っている魔力の上位にあるとされている呪力と言われているものらしい。ノーランが高
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