第51話血まみれ父さん・般若の母さん・天才バカ兄貴・妊婦の義姉さん・見捨てるオレ・眠れる仮想の妹
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ユッキィィィィィ!!」
「雪乃さん!?」
橘雪乃さん。龍星が須郷の所に潜入捜査に行かせた母になろうとしている奥さん。母さんを止めてくれて助かったけどーーー多分まだ仕事の途中だよな?
「これ以上潜入捜査を続けてると危険だと思ったから、昨日限りで終わりにしたんだ」
「その危険に気付かせたのはりゅーちゃんでしょ?」
「その通りでございます・・・」
そうか、もうお仕事終わりなのか。確かにこれ以上須郷の所にいさせたら危険すぎるからな。うん、オレが教えたようなモンだよなコレ。
そう思っていたらーーー雪乃さんがオレを見ていた。
「義姉としては初めまして、ですね。旧姓は橘、神鳴雪乃です。どうぞよろしくお願いいたします」
「えーっと・・・義弟としては初めましてですね。龍星の弟の竜です。兄がお世話に・・・いえ、ご迷惑をお掛け致しました」
「いえいえ、私こそリューセーに助けてもらってばかりで・・・」
いえいえ、今回ばかりはウチの天才バカ兄貴の責任でございます。オレ的には『リューセー』というのが気になったけど、恐らく愛称か何かだろうな。龍星も『ユッキー』って呼んでたし、きっとそう呼び合うモンなんだな、うん。それにしても、橘って旧姓だったのか。まあ母さんも『雪乃ちゃん』って呼んでたから本名で潜入してたんだな。
「それにしても・・・雪乃さん、お若いですね。女性に対して大変失礼だとは思うのですが・・・年はお幾つで?」
「そんなにかしこまらなくても。年は21、リューセーの一つ上です。それに時間が掛かるだろうけど・・・いつかは『義姉さん』って呼んでほしいな♪」
流石に他人行儀だったかな。でも突然義姉ができてもすぐには順応出来ない。龍星の一つ上かーーー確か龍星の誕生日が1月12日だから、もう龍星ハタチなのか。
それにしても、こんな綺麗な女性があのバカ兄貴のどこに惚れたんだ?
「まあ、とにかく・・・よろしくお願いします」
「こちらこそ、改めてよろしくお願いします」
とにかくこの女性はーーー雪乃さんはもう家族なんだ。あのバカ兄貴がオレの知らない所で暴走してたら止めてもらおう。そして、いつか産まれてくるオレの甥っ子か姪っ子。その時オレは叔父さんとしてーーー今現在、仮想世界で眠り続けている未来も叔母さんとして、神鳴家に産まれてくる新たな生命を愛でるのだろう。そのためにーーー絶対に未来を解放しよう。
「あの〜・・・パパは・・・お祖父ちゃんは?」
あ、次期お祖父ちゃん忘れてた。
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