暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第234話 剣の聖域
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は、反対側にいて、周りの熱い視線……とまではいかずとも、同じく戦っている2人に視線を向けている全体的に黒い容姿の男――キリトの方を見た。

 一度剣を交え――そして、自分の、自分達の秘密(・・)を看破した彼の姿を。


「ううーん……やっぱり、リュウキ君だなぁ」
「うん……、やっぱり凄いよね……、リュウキ君」

 アスナは、やや呆れ視線も見せつつも、最大級の信頼と尊敬の念を向けて そうつぶやいていた。勿論隣にいるレイナも同様であり、憧れだけではなく、何処か誇らしく、そして恥ずかしく、愛しい人に温かい視線を向けていた。

 確かに、自分達の戦いででも、それなりに注目を集めた結果になっただろう。戦いの最中は気にしてなかったが、今思い返してみると、判る。

 佇んでいるだけで、周囲にまで緊張感を伝え、更にたった一合……それも、たった一振りの一撃。本当にたったそれだけで 周囲を沸かせた。まるで、映画の世界の話だ。

「でも……彼女も……」
「うん……。……凄いっ」

 そして勿論リュウキと同じく、それだけの物を見せている相手……当然ながら、剣聖(ラン)の技量にも舌を巻いていた。リュウキとこれほどの戦いができる相手等、月例大会の上位常連でも……いや、剣の世界の生還者たち、SAO生還者(サバイバー)であったとしても、キリト以外に思い浮かばないから。

「……でも、普段から、リュウキ君があんな感じだったら ほんとに大変だよね? レイ」
「っっ!? も、もうっ お姉ちゃんっ!」
 
 まさかの言葉をアスナから受けて、集中して見ていたレイナだったが、思わず背筋を伸ばして、抗議してしまう。それはレイナも思っていた事だったから。
 リュウキは普段は目立つ事を好まない。……故に、その本当の実力、そして、普段の時から戦う時、それらの素顔を拝見する機会は 彼と面識ある人物でなければ少ないだろう。たまたまの目撃情報や、厄介な情報屋(アルゴ)経由で見られる事はあっても、やっぱりSAO時代同様にALOでも極端に短い。
 でも、それでも、SAO時代より根強い人気があるのは言うまでもなく……ALOに来ても拍車をかけているとも言える。アスナの言う通り、普段から今の素顔のままだったら―――。

 言い寄られてしまう事が、更に多くなるだろう。現に風妖精族(シルフ)のサクヤや、猫妖精族(ケットシー)のアリシャ……と前例があるから。だから 何れリュウキもそれに答えたり……。

「りゅーき君は、そんなこと、しないもんっ! そんな事、意識してないもんっ!」
「ふふ。私は大変だね? って言っただけだよ」
「もーっ」
「冗談冗談。ほら……、続き 始まるよ」

 リュウキの事を知っている身であれば、ありえない事はよく判る。レイナ自身もよく
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