機動戦艦ナデシコ
1355話
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それもまた、難しい。
和平交渉をする以上、木連は当然月の独立運動の件と、火星に核を撃ち込んだ件、更にはこの戦争が始まる前に使者を殺された件といったものを公にして謝罪を求めてくるだろう。
……ヤマダと同じような性格だと考えれば、より面倒臭い事態になる可能性もある、か。
『最後の方策としては、シャドウミラーが連合軍と木連の両方を直接統治するとか?』
シェリルの口から出た提案は、俺も少しは考えた。
だが……
「駄目よ、シェリル。世界1つを丸々私達が治めるとなると、どうしても人材が足りないし、何より最大の問題は面倒な柵が出来上がるわ。シャドウミラーにとって最善なのは、やはりSEED世界でシャドウミラーがやったように、私達の代理の組織がこの世界を治めるといった形が望ましいわ」
そう告げたエザリアの口調が複雑な様子だったのは、やはりSEED世界の出身だからだろう。
エザリアの話に全員が色々と意見を述べるが、結局どれも決定的な意見とはならない。
そんな中、不意にレモンが口を開く。
『ねぇ、ちょっといい? 今の話とは全く関係ない……とは言わないけど、技術班の方から報告があるのよ』
ナデシコ世界でシャドウミラーがどうしたらいいのかと迷っていただけに、気分転換になると皆がレモンが映し出されている映像スクリーンへと視線を向ける。
『知っての通り、チューリップは木連の独自の転移を使う為の要よ』
だろうな。そもそも、今回の件で時間移動の可能性が出て来たし、それがチューリップのクロッカスを呑み込んだ件から明らかになったのは事実だ。
『そのチューリップの身体を構成している物質、これが木連の転移に関する触媒とでも呼ぶべき物なんだけど……出来ればもっと多くのチューリップを確保して欲しいのよ。それこそ、破片とかでもいいからもっと大量に』
「……何でだ? いや、チューリップが色々と重要なのは知ってるけど、今までにもかなり大量に確保しただろ? 俺が空間倉庫で丸々一隻奪ったのも何度かあったし」
『ええ、そのおかげで色々と研究が進んでいるわ。それで、うちの子が少し面白い事を発見したのよ』
うちの子、というのは技術班の事だろう。
『マブラヴ世界にある、グレイ・ナインを覚えている?』
「グレイ・ナイン? 確かG元素の……」
そこまで考え、以前レモンと夕呼が通信で話をしているところに顔を出した時、教えて貰ったG元素の特徴を思い出す。
何故か夕呼はグレイ・ナインを欲してたんだよな。
ただ、最近は殆どグレイ・ナインについてどうこう言ってくる事はなくなったが。
正直、火星のハイヴを占拠した以上、G元素は好き放題に使えるだけの量を確保している。
それこそ、今グレイ・ナインを欲しいと言えば、マ
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