機動戦艦ナデシコ
1355話
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『へぇ……なるほど。木星蜥蜴の正体は地球を追放された地球人な訳ね。考えてみれば、結構ありきたりの内容ね』
アカツキとの会談……というか、木星蜥蜴の正体を聞いた日の夜、俺はニヴルヘイムのブリッジでホワイトスターにいる面々を含めて木連の報告を行っていた。
それを聞いたレモンの第一声がそれだった。
まぁ、確かに色々な世界と関係を持ってきたシャドウミラーとして見れば、そこまで驚くような話ではない。
ナデシコ世界ではこれが知られるとかなり重大な騒ぎになるだろうが、幾つもの世界を滅ぼしてきたダークブレインとか、宇宙規模で渡り鳥のような性質を持っているバジュラとか、それ以外にも色々と経験してきた俺達にしてみれば、それで? で済んでしまうんだよな。
それは他の者達も同様だったが、イザークは若干木連に関して思うところがありそうだった。
プラント出身のイザークとしては、木連に同情する気持ちがあるのだろう。
ただ、そう思ってはいても口には出さない辺り、シャドウミラーの人員としての自覚があるからか。
「それにしても、エリナもこの事を知ってたのよね? 水臭いなぁ」
「そう? 寧ろ私としては、アクセルに惹かれているからって重要機密を話すような人じゃなくて信頼出来る人だと思ったけど」
美砂の言葉に円が返すと、少し離れた場所にいたエザリアも頷きを返す。
「そうね。本来なら彼女もアクセルに隠し事をするのは嫌だった筈よ。それを男女間の関係になったからといって、あっさりと話すような人物だとすれば、政治班を率いる者として、彼女がシャドウミラーに所属するというのは反対してたでしょうね」
その言葉に、あやかと千鶴もまた同意するように頷いていた。
この辺、政治班と実働班の違いなのか?
いやまぁ、実働班とは言っても円も美砂も生身での戦闘とシロガネのオペレーターが主な仕事だが。
『それで、木星蜥蜴……いや、木連だったか。その存在を知った訳だが、これからどうするのだ? これまで通り地球に味方して木連を撃退し続ける……というのは気が進まないように思えるが』
コーネリアの言葉に、何人かの者達が頷きを返す。
そうなんだよな。その辺は難しい。
道義的に見れば、ぶっちゃけナデシコ世界の今の状況というのは、自業自得に等しい。
だとすれば、それに俺達が力を貸すような真似をしてもいいものか……
だからといって、今の俺達は連合軍や連合政府と協力態勢を取っている以上、あっさりと裏切って木連に付くというのも、あまり楽しいものではない。
「どうするかは分からないが、それでも一度は木連と交渉を持った方がいいだろうな。最善なのは、シャドウミラーの存在によって木連と連合軍の両方に戦闘を停止させ、和平交渉を結ばせる事だが……」
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