暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
深淵-アビス-part1/安息無き戦士
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たちや妖精亭のみんなが去って言った後、ある女は誰もいない劇場内で、窓から去っていくサイトたちを見ながら、ポツリとつぶやいた。
「ごめんなさいね。次の脚本は…もう考えてあるのよ。それもとびきりの…」


悲劇をね。



妖精亭に向かう中、サイトはアンリエッタからの任務期間の間、ハルナのかばん以外にも、一度もシュウから連絡がなかったことを気にしていた。あの生真面目そうな男が、自分と同じウルトラマンでもある彼が、これまで事件が何度も多発していたのに一度も連絡をよこしても来ないというのが気がかりだった。
これまでの事件のことだけじゃない。まだリッシュモン事件の際に来た、あの不気味なメッセージのことも…


               ア レ ハ 警 告 ダ


まるでホラー映画の一幕で見られるような着信メッセージに、サイトもゼロも、思い出すだけで嫌な予感がした。
また何か、ミシェルのときのような悲劇が来ないことを祈るばかりだった。



その頃……。

あれからまだ数えるほどの日数しか経っていない。しかし、『彼』がいなくなってからの日々が長く感じるようになっていた。
今、自分たちはアルビオンから遠く離れ、地上のとある場所に身を隠している。ここは本来のウエストウッドと同じ、地図にも詳しく載せられていない、名前さえもない森の中だ。
「……」
ティファニアは、森の切り株に腰掛け、一緒に遊んでいる子供たちや空賊たちの姿をただボーっと眺めていた。
「食えよ、坊主。こいつはうまいぞ〜?」
「ありがとうおじちゃん!」
「くらえ!えあ・かったー!」
「ぐわああ!や〜ら〜れ〜た〜!」
今自分たちは、アルビオン大陸からの脱出に力を貸してくれた空賊の人たちのおかげで、生活に関しては特に問題はなかった。空賊の人たちは、賊とは思えないほど気のいい人たちが多かった。子供たちと一緒に遊んでくれたり、ご飯をくれたり…。
でも、何かが足りない。何かが不足しているのを感じていた。いつもなら自分も子供たちの輪に入って彼らと遊んでいるはずなのに…。
「シュウ…」
アルビオンから脱出したあの日、彼は…シュウはダークメフィスト=メンヌヴィルとの戦いの果てに姿を消していた。そして、あの旅路で自分たちに同行していたウルトラマンダイナ=アスカともまだ再会していない。
今、自分たちがシュウから助けてもらった恩を返すという名目で、世話をしてくれている。空賊らしからぬ世話焼きっぷりに、いつしか子供たちは炎の空族たちの努力の甲斐もあってシュウのいない寂しさを紛らわすことができている。だが、テファの場合はそうもいかなかった。
「テファ」
自分に声をかけてきた女性の声を聴いて、テファは振りかえる。
「マチルダ姉さん…」
「シケた面しちゃって…原因は
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