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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
深淵-アビス-part1/安息無き戦士
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がら悶え苦しみ出した。彼が苦痛の声を漏らしていくうちに、壁に埋め込まれていたディスプレイに、ハルケギニアとも地球とも全く異なる電子文字が早送り再生されているスタッフロールのように流れていく。
「なんて数値…『セブン』も高かったが、それ以上か…!?」
実験にかけている研究者と思われる者の一人が声を漏らす。
実験は彼の苦痛など意に返されずに続いていく。
「あ、あ……あああああああ…」
「プラズマエネルギー、さらに上昇!これ以上人間形態のまま『人工ビースト振動波』を浴びせ続けるのは危険です!」
「構わん、続けろ!これもシェフィールド様からの命令だ」
研究スタッフのリーダーと思われる男は、部下の忠告をはねのけて続行命令を下した。
「あああああああアアアアア゛!!」
まるで悪霊に憑依されたような悲鳴が、シュウの口からほとばしった。




シュウは苦しむ中、脳裏に奇怪なヴィジョンを見た。





暗闇の中でただ一人、ポツンと立っている小さな子ども。彼は最初は俯いていたが、何かの気配を感じたのか、顔を上げる。
一人の少女がそこに立っていた。
(愛梨…)
シュウが取り乱してしまうほどの要素を持つ、茶色の髪の少女だった。彼女を見て、無表情ばかりだった彼の表情は悲しみに満ちたものに変わる。

「済まない…
俺は……君を…守ってやれなかった…
君だけじゃない…地球にいた頃も、この世界に来てからも………たくさんの人々を…」

彼女に近づいていきながら、シュウは贖罪の言葉を述べていく。
と、彼女の姿が、可憐な少女の姿から一変する。

「!?」

そこに立っていたのは、愛梨ではなくなっていた。




ウルトラマン…か?















――――委ねろ
















いや、違う。

こいつは確かに、姿自体は俺が変身するウルトラマンだ。だけど…









――――受け入れろ







なんだこの邪悪な気配は!?

気味の悪い声が聞こえる。








――――お前の意思を





「や、やめろ…来るな!」



あとずさるシュウ。だが、ウルトラマンの姿をした何がかが手をかざすと、途端にシュウの胸に電流が走ったように激痛が走る。

「うぐ…!?」

彼の胸部から、禍々しい赤い光がほとばしる。次第にそれは、ウルトラマンの胸に埋め込まれた宝珠『エナジーコア』の形を成していく。




――――力を




どす黒い何かが、自分の自我を




――――全てを






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