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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
深淵-アビス-part1/安息無き戦士
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えすれば、この戦は収まるはずです。王子のお命も、お父様たちにお願いしてご助命を申し出ます」
「だめだ、姫。それでは僕は君を失うことに…」
なぜかサイトたちは、リッシュモンの謀反事件でうやむやになったウェザリーの舞台に再び役者として立っていたのだ。アンリエッタが、自分たち貴族のいざこざに巻き込んでしまった侘びとして、ウェザリーのためにも一度劇をやってほしいと、ルイズたちに無理を承知で頼み出たのである。少し渋っていたところもあるが、せっかく稽古を真面目にこなしていたのに、ここで中止にしたままだと後味が悪いと考えたルイズが自らやると答え、それに対抗してキュルケ…やがて全員が結局舞台をもう一度やってあげようということになったのである。
すでに今、クライマックスのシーンに入っていた。
サイトの演じるケイン王子はある日、ヒロインにしてこの劇の主人公であるノエル王女に愛の告白をすでに交わしていたが、姫はその返事を長らく答えないままうやむやにしていた。
その間、王子以外にもノエルに求婚を申し出るが、ケイン以外誰もがノエルが課した求婚の条件を突破できずに破滅していった。
それでも二人は恋人同然の関係のまま、互いに楽しい日々を過ごしていたのだが、ノエル王女の祖国が宣戦布告し、ケイン王子の国に攻め入ってきたのだ。そして、王子の国はついに首都の防衛網を破られ、城に敵国の兵が押し寄せてしまった。
今、ノエルとケインは城にある塔の最上階にいるという設定だ。セットも城の塔をしっかり再現しており、高い位置にまで高くそびえている。
シリアスかつ悲壮感に満ちた雰囲気が、劇場内を漂う。
「ですが、このままでは王子は国とお命…すべてを失ってしまいます!」
ノエルが、自らの身を祖国に差し出すことで、なんとしても愛するケインとその国を守ろうと提案するが、ケインは首を横に振る。
「王国がなんだというのだ…死がなんだというのだ!僕にとって君を失うことは…死や亡国よりも恐ろしい!」
ケインは、たとえノエルが祖国に戻り、皇帝に口添えしたところで自分が助かる可能性はないことは察していた。なにせ殺し合いをした敵国の王子を、みすみす生かしておくはずがない。むしろ、敵国の王子を愛したという疑惑を周囲に知らしめ、ノエルを危険に追いやることになる。だからケインは、自分のことは見捨ててノエルに生きることを促した。
「あぁ、王子!ですが…」
国よりも、愛する人の未来を取る。その選択に悲しみを覚えつつも嬉しさを覚え、ケインの手を取るノエル。まっすぐ見つめられるケインはノエルに向けて言葉を続ける。
「愛しい人…君への愛はそれだけの価値があった。
だが、せめて最後に…君の返事を聞きたかったが…もう時間がない。城は時期に崩壊する。僕のことは忘れ、去りたまえ。君はあの兵たちに迎えられ、女王として生きるん
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