魔法青年変態なのさ☆
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けないとは…まさか食事が喉を通らないのでは…!
よしっ!ここは私が口移しで―――」
その直後にお姉ちゃんとノエルに食器を投げつけられていた。
ある時私は聞いてみた。
「どうして私にばかり手をかけるの?」と。
そして「お姉ちゃんの方が偉いんだよ?」と。
彼はこう答えた。
「私がお仕えするのはすずか嬢です。
すずか嬢が居たからこそ、私は救われ、ここに居るのです」
彼が珍しく真剣で、それでいて穏やかな目をしていたのを、私は久しぶりに見たかもしれない。
「まぁ現当主と言えども、忍嬢もまた娘っ子。
如何に乳が育っていようとも、まだまだ脇の甘い幼子で―――」
その直後、お姉ちゃんからデンプシーロールを食らっていた。
何で未だに首にならないのか不思議なんだけど、特別に悪感情が沸かないのは事実。
彼は私に救われたと言ったけど、どちらかと言えば救われたのは私の方だと思う。
まだ小さい頃に知らない人に誘拐されたとき、彼は颯爽と現れて助けてくれた。
一瞬の事でよく覚えていないけど、私を助けたときのあの顔は、絶対に忘れることは出来ない。
穏やかで、それでいて愛おしい物を取り扱うかのように私を抱き上げた彼は―――
「何時もニコニコお嬢を影から御守りするヴァリオット・ゲイザー!
お嬢の貞操は誰にも渡さん!」
―――色々台無しだったと思う。
でも、私は思うのだ。
「良いですか!
貴方は当家に使える執事として、危機管理と行動に伴う責任をですね―――」
「はっはっは!ノエルよ、そんなことは言われずとも分かっている!
お嬢の身の危険、我が行動に遅れた結果が生じる不始末。全てに責任があることを!
故に私はお嬢に張り付き見守るのだ!それが我が執事道!」
ああやっておちゃらけてはいるけれど、本当はとても誠実な人なんじゃないかなって。
だってそんな人でもなければ、あんな穏やかな表情なんてしないだろうから。
「おやアリサ嬢になのは嬢。
今日もまた一段と可愛くなされてますな!」
でも、なのはちゃんとアリサちゃんにまでちょっかいをかけるのはやめてほしい。
それは、私だけの――――――何でもありません。
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