暁 〜小説投稿サイト〜
全ては我が趣の為に
魔法青年変態なのさ☆
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「きゃあぁあああああ!?」

私、ヴァリオット・ゲイザーが勤める豪邸、月村家では 早朝から目覚まし代わりに悲鳴が響く。

「おや、起きられましたかすずか嬢。
ふむ。午前6時30分…まさに健康で結構ですな」

月村すずか。
私が勤める月村家の当主、月村忍様の妹君である。

「馬鹿言わないで!何で毎朝毎朝私の横に寝てるんですか!?」

「いえいえ、正確には6時29分頃に入り込んだ次第であります。
これも一重にすずか嬢の御倦怠を取り払うための、私の粋な計らいと言うものです」

「粋な計らいでこんなことされても疲れるだけだよ!
と言うか顔が近いからビックリするんだよ!?」

「はっはっは。それはそれは…恥ずかしがりやさん、と言うものですな」

「絶対違うよ!?」

このやり取りもまた、毎朝恒例のお仕事であります。

「お嬢様!またですか!?」

「ノエル!」

バタン!と大きな音をたてて扉を開き、すずか嬢の寝室へと入ってきたのは、当家に使えるメイドの一人、ノエルだ。

「ノエルよ。毎日いっているようだが、扉を開けるときはもう少しおしとやかに開けろと言っているだろう」

「取り合えず死になさい変態!」

「わははは!その程度の攻撃で月村家のメイドが勤まると思うな?!」

「ええい、忌々しい!
お嬢様!お着替えの準備を!」

「あ、うん」

私へと襲いかかりながらも、お嬢への配慮は忘れない。
うむ。素晴らしい貢献心である。

「だがしかし!
お嬢の着替えは私が助力しよう!」

「絶対ヤダよ!?」

「出ていきない変態!」

この日もまた、追い出されてしまった。
まぁ、これもまた毎朝のことである。





私、月村すずかの家には一人、困った執事が居る。
今日の朝もまた、懲りずに私の布団に入って起こしに来た。
何か気配を感じて目を開ければ、物凄いアップで彼の顔が目に入る。
毎朝の事なのに、当たり前のようにビックリしてしまう。慣れようのない朝の出来事です。

そんな彼の名前はヴァリオット・ゲイザーさん。
私はオットさんと呼んでます。

彼は事あるごとに私にちょっかいをかけてくる。
ある時はお風呂に入っている所を覗きに来ていたこともあった。
その時は確か…
「人が無防備となるのは入浴の時だと判断し、僭越ながら私めが御守りしながら背中を流して差し上げようと―――」
と、言っていた。
その直後に来たお姉ちゃんとノエルにシバき倒されていたのが記憶に新しい。

またある時は食事の際にお料理を食べさせようとしてくる。
前に恥ずかしくなって断ったことがあったけど、その時の彼の反応が凄かった。

「馬鹿なっ!?私の”あーん”を受け付
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