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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十五話 なりたいから
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コートを脱ぎ、そのコートへ魔力を流し込む。
するとコートは薄く、黒いディスク状に変化して金属のような硬さを持ち合わせた。
アマネが銃の時はマントの姿となり、刀の時はコートへ変化するこの羽織りもまた彼にとっては重要な武器の一つ。
魔力を流し込むことでディスク状に変化し、防御用の盾になるバリアジャケット。
黒鐘はそれを投擲として前方に放つ。
ディスク状の羽織りは進行上で衝突した枝を尽く蹴散らしていき、ブーメランのように孤を描きながら黒鐘の足元に盾として戻ってくる。
そして再び放たれ、迫ってきた枝を弾き返していく。
その後ろで黒鐘は刀を収めず、上段の構えを取る。
左足を僅かに前に出し、真っ直ぐな姿勢のまま魔力を込めると足元に独特な形状をした魔法陣が展開される。
すると魔法陣から無数の糸のように伸びた黒い魔力が刀身に集まり、光り輝く。
《残り三秒……二秒、一秒――――》
「行くぞ――――!」
黒鐘は刀身にありったけの魔力を乗せ、一気に振り下ろす。
大気を切り裂き、凄まじい轟音を立てながら振り下ろされた刃は斬撃を飛ばし、斬撃は膨大な魔力を喰らって膨張――――漆黒の斬撃となって前方に放たれた。
小伊坂 黒鐘が持つ中距離魔法の一つ。
魔力を乗せた斬撃を飛ばし、触れた全てのものを斬り裂く――――
国喰牙翔
(
こくがしょう
)
。
放たれた直後、斬撃の行く手を阻む木々の壁が乱される。
ジュエルシードを守るために行われた最後の防御策。
しかしそれを見抜いていたアマネの戦略により、木々の壁は上空から迫っていた桜光の砲撃……高町 なのはのディバイン・バスターの直撃によって消滅する。
そして、黒鐘が放った国喰牙翔はその名の通り、木々を喰らうかのように進み――――ジュエルシードに直撃した。
ジュエルシードは強力なエネルギー体のであり、常にエネルギーが放出された状態のためになんの対策もなしで触れると弾かれてしまう。
それを防ぐには、同等かそれ以上の力をぶつけることによって相殺する必要がある。
黒鐘が放った一撃にはそれだけの力が込められており、ジュエルシードは一度は強烈な光を放ったが、すぐに黒鐘の魔力光に飲み込まれてその力を封印された。
そしてジュエルシードのエネルギーを受け取ることで存在していた巨木はその力を失い、徐々に崩壊を始めだした。
黒鐘は瞬速を持ってジュエルシードのもとに到着すると、三つ全てをアマネの中に取り込ませる。
「回収は完了か?」
《問題ありません。 ジュエルシードの回収は成功いたしました》
「……分かった」
《マスター?》
アマネは返答が遅れた黒鐘を心配して声を
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