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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十五話 なりたいから
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まいとする巨木の抵抗のようだ。
進行上に迫る無数の細い枝に対し、黒鐘は左右に回避することで難を逃れるが、それでは意味がない。
前に進まなければジュエルシードは封印できないのだから。
《マスター。 まさか無策で突撃を仕掛けようなんていたしませんよね?》
「……」
《『速く斬って突撃すればどうにかなる』、だなんて思ってはいませんよね?》
「……ごめんなさい」
色んな意味で逃げ場を失った黒鐘は、深々とその場で謝った。
アマネの指摘通り、黒鐘は自らの持つ速度を最大限に生かして突撃を仕掛けようとしていた。
それを見抜かれ、それが間違いだと指摘された黒鐘は再び回避に徹する。
《マスターは先ほどの雷切の連発で体力を多く消費しています。 そんな状態で無理に突撃を仕掛ければジリ貧になってしまいます》
「だけど、今のまま回避を続けてたってジリ貧だろ!?」
《いいえ。 あと三十秒ほど粘ってください》
「……え?」
思わず声を上げた黒鐘に対してアマネは、いつもと変わらず冷静でいた。
そして冷静が故に導き出した戦術は、既に行われていた。
《レイジングハートに砲撃の準備をするよう指示いたしました。 現在、この巨木はマスターを最優先排除対象としているため、高町様に攻撃が行われていないようなので、あと三十秒粘れば再び砲撃が来るでしょう》
アマネは淡々と、自らが建てた戦略を語った。
現在、ジュエルシードによって生み出された巨木は、内部に侵入した上にジュエルシードに迫っている黒鐘を最優先処理対象として認識している。
それによって巨木から離れている高町は標的から外されているため、砲撃の用意ができた。
レイジングハートとの情報交換を密に行っていたアマネはそのことを知るや、黒鐘が防戦一方である状況と混ぜ合わせ、最も成功率の高い戦略を建てた。
やることは先ほどと殆ど変わらない。
高町の砲撃に合わせ、黒鐘もまた大技を放ってジュエルシードを封印させる。
一人で無茶してでも解決させるのではなく、仲間がいるのであれば力を合わせて無事に完遂させること。
「……流石、姉さんが造ったデバイスだよ」
それがアマネが伝えたいことだった。
黒鐘よりも思考が早く、行動が早い存在。
速さがウリの黒鐘よりも早い唯一の存在こそ、彼が持つデバイス/アマネであるのだと改めて思い知らされた黒鐘は、額に冷や汗を流しながら苦笑を漏らす。
「なら、三十秒後に俺も大技を放とう。 高町が砲撃を放った後、次の攻撃が来る前にこちらから追い打ちをかけて終わらせる!」
《了解です》
互いに納得のいく戦術を見出すと、黒鐘は羽織っていた黒い
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