第83話
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言葉を聞いたエステルは首を傾げた。
「―――恐らく敵将を討った事によってその将が率いる軍勢が現れなくなったのだろう。」
その時戦闘を終わらせたリウイがシルフィエッタとセリカと共にケビン達に近づいて言った。
「なるほど……という事は上空の戦闘が終われば、この戦いも終わるという事ですね?」
リウイの推測を聞いたケビンは頷いた後、上空で激しい空中戦を繰り広げているセオビットとスティスニアに視線を向けた。
「……………」
2人の戦いをシルフィエッタは心配そうな表情で見つめていたが
「心配するな。今の奴は俺達に鍛えられた事によって自分に秘める膨大な力を使いこなせている。……それに空中戦は今奴が戦っている”飛天魔”より実力があるファーミシルスと何度も戦い、学んでいる。娘である奴を信じてやれ。」
「陛下……はい。」
リウイの助言にシルフィエッタは頷いた。
「さ〜てと!あたし達はその間にセオビットの戦いを邪魔しないように頑張らないとね!リウイ、ウィル!後ついでにセリカ!手伝って!」
「「ああ!」」
そしてエステルの号令にリウイとウィルは頷き
「……何故俺が”ついで”なのか聞きたい所だが……まあいいだろう。」
セリカは静かに頷いた。
(クク……セリカを”ついで”扱いとは……何とも豪気な嬢ちゃんよ……!嬢ちゃんが”使徒”になれば、面白い事が起こりそうだの……!)
一方ハイシェラは不敵な笑みを浮かべてセリカに念話を送り
(…………言っておくが、俺はエステルを”使徒”にするつもりはないぞ。それに奴には既に伴侶となる者がいるだろう。)
ハイシェラの念話を聞いたセリカは念話を送り返した。
(ほう?まさかあのヨシュアとかいう小僧に遠慮しておるかだの?)
(……俺とサティアを再会させたあいつを悲しませるつもりはない。……それだけだ。)
(フッ、そうか………ならば、サティアと出会わせた礼代わりにエステル嬢ちゃんの太陽のような輝きを決して曇らせるでないぞ、セリカ!)
(………ああ。)
「こら――――っ!!全部、聞こえているわよ!?言っておくけどあたしにはヨシュアがいるんだから、絶対!あんたの”使徒”にはならないからね!!ただの剣とごちゃごちゃしゃべらず、ちゃんと手を動かしなさい!」
セリカがハイシェラとの念話を終えたその時、エステルは大声で叫んでセリカを睨んだ。
(た、ただの剣だと!あれほど我の偉大さをその身に叩き付けたというのにまだわからんのか!?セリカ、今すぐ我を召喚するだの!!)
エステルの言葉を聞いたハイシェラは怒ったが
「……悪かった。すぐに行く。」
(こら、セリカ!お前の優先順位はどうなっている!?)
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