外伝〜真の再会の誓い〜
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インツ山道〜
「お望み通り連れて来てあげたわよ。」
「一体誰が私に――――え。」
山道の外れの滝がある所まで連れて来られたセシルは滝を見つめている髪の色や髪型は自分が知る人物のものではなかったが、あまりにも見覚えがある背中姿の青年を見て呆けた。
「わざわざすまねえな。」
そして青年―――ガイは振り向いて笑顔をレンに向け
「うふふ、いつか恋のキューピッド役をしたいと思っていたから、許してあげるわ。それにこれも遊撃士の仕事の一つよ。――――それじゃあ”ごゆっくり”。」
レンは小悪魔な笑みを浮かべて答え、ウインクをした後その場から去って行った。
「ガイさん………なの……?」
先程葬式を挙げた人物が目の前にいる事が信じられないセシルは震える声でガイを見つめて尋ね
「―――ああ。これなら、証明になるだろう?」
尋ねられたガイは頷いた後懐から銀色の指輪を取り出して見せた。
「あ……………」
自分達の婚約指輪である指輪を目にしたセシルは呆け
「『今まで待たせてすまなかった。―――ガイ・バニングスは誰よりもセシル・ノイエスを愛している。』………これでもまだ信じられねえか?」
「ガイさん………ガイさん!生きていたのね……!よかった……!本当によかった………!」
「すまん……今まで悲しい思いをさせちまって……」
そしてガイが口にしたかつて自分にプロポーズした言葉を聞くとセシルは嬉しそうな表情でガイに抱きついて涙を流し始め、抱きつかれたガイはセシルを優しく抱きしめた。
「―――セシル。事情があって、今俺が生きている事を誰かに知られる訳にはいかねえんだ。」
「………もしかして、その為に髪を染めていたり、髪型を変えているの?」
「ああ。俺が生きている事がバレたら、お前やロイドの身まで危ないからな。俺が今追っている事件が解決するまで、黙っていてくれないか?」
「ロイドに隠し事をするのは凄く辛いけど、命に係わるのなら仕方ないわね………」
ガイの話を聞いたセシルは複雑そうな表情で溜息を吐いた。
「それと………これは俺の自分勝手な希望なんだが……全部解決できたら、今度こそ結婚してくれるか……?もしかしたら、大分待たせちまう事になるかもしれねえが……」
「はい、喜んで……!私は、いつまでも待ってるからね。ん……!」
「セシル………」
真の再会を誓った恋人達は深い口付けを交わした後別れ、セシルはレンにクロスベルまで送ってもらい、ガイは”星杯騎士団”が所持する”天の車”と呼ばれている”守護騎士”専用の飛行艇―――”メルカバ漆号機”に回収され、クロスベルから離れた。
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