外伝〜改変される因果〜
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身体を震わせていたレンは持っていた傘を捨てて、赤ん坊をあやしている夫婦に背を向けて突如走り出し
「あ、おい!どこに行くつもりだ!?」
走り出したレンをルークは慌てた様子で追って行った。
「違う、違う、違うっ!レンの”本当の家族”はルークお兄様やエステル達っ!あんな”偽物”の人達なんか、知らないっ!」
雨にうたれるレンは涙を流しながらうわごとのように呟きながら走り続け
「おい、待てって、レン!」
ルークは長髪の黒髪の男性と共に歩く太った体型をしている眼鏡の男性とすれ違い、レンの後を追って行った。
〜工事現場〜
「ハア、ハア……――――え。」
全速力で走り続けたレンは息を切らせて立ち止まり、目の前に血だまりの中に倒れている青年―――ガイ・バニングスを見て呆けた。
「やっと、追いつけたか…………って。―――なっ!?お、お前は確かクロスベル警察の!?おい、しっかりしろって!」
その時レンに追いついたルークがガイに気付いて血相を変えた後、ガイにかけよって声をかけたが、ガイは返事を返さなかった。
「脈が弱まってやがる……!心臓を撃たれたのか!―――いや、まだ身体は暖かいから助けられるはずだ!」
血によって真っ赤に染まっているガイの胸元に視線を向けたルークは荷物の中から最後の一瓶である”エリクシール”を取り出してガイの口の中に流し込んだ。
万物の霊薬たる液体はガイの体内に入ると、失ったガイの血を戻すかのようにガイの体内の細胞に働きかけて液体を元に失った分の血を復活させ、更には銃弾によってできた貫かれたガイの心臓も何事もなかったかのように再生し、銃弾によって貫かれた傷跡も塞がった。
「お兄様。その人、助かったの?」
「ああ。発見が早かったお蔭で何とかな。―――それよりレン。本当にごめん!俺のせいでスゲェ嫌な思いをさせちまって……!」
嫌がっていたレンに”本物の家族”に会う事を提案した事を強く後悔するルークはレンを見つめて頭を深く下げた。
「クスクス、変なお兄様ね?どうしてわざわざレンが”偽物”を気にしなくちゃいけないの?レンも最初からわかっていたんだから。――――あの人達は”偽物の家族”でお兄様達が”本当の家族”だって。」
「………………………」
笑顔で何の躊躇いもなく血が繋がる両親を否定したレンにかける言葉も無いルークは重々しい様子を纏って黙り込んでいた。
「グッ………!?あ、あれ?俺、生きてんのか??」
その時地面に倒れていたガイが呻き声を上げながら起き上がった。
「お前は”焔の剣聖”のルーク……それに嬢ちゃんはあの時ティオと一緒に助かった………もしかして俺を助けたのは二人か
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