第78話
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」
尋ねられたフィーナは一瞬だけ辛そうな表情をした後、苦笑した。
「ハハ、そうか。……ちなみにそのトールって人ももしかして”六神官”の一家の一人かい?」
「はい。”ファクト家”の先祖であると同時に……レアの恋人でした。」
「え!レアの!?」
フィーナの説明を聞いたアドルは驚いた表情でフィーナを見た。
「ええ。また、騎士団の中でも随一の腕を持っていて、若いながらも副団長の立場で当時団長であったユニカの父親――――サウルと共に神殿を天空へと浮上させる為の儀式の時間稼ぎに魔物の大群の中に飛び込んで、撹乱し、生存が絶望的な状況でありながら生き残り、そしてレアの為に”魔”に堕ちてまで、行動していました。」
「”魔”に堕ちる……か。……つくづくファクト家の人々は”魔”に縁があるね………」
「………そうですね。でもトールは魔に堕ちていながらもその身を魔に委ねることなく、強い意志を持って行動し、最後には私達が魔の根源を封じた事で魔の因子からも開放されました。」
アドルの言葉に辛そうな表情で頷いたフィーナは微笑んで言った。
「………まるでレーヴェのような人だな………」
「フッ………確かにある意味俺と似た者だな………もし会えるのなら、手合わせを願いたい所だ。」
一方フィーナの話を聞いていたヨシュアは驚いた後レーヴェに視線を向け、レーヴェは静かな笑みを浮かべ
「女神を相手にありのままの自分をぶつける娘か……まるでエステルちゃんみたいな娘やな。」
「それは同感。エステルさんは誰に対しても自分を偽らず接しているもの。」
「……少しは遠慮とかしてほしいんですけどね………傍にいる僕が何度ヒヤヒヤしたか………」
「……まあ、それでこそのエステル・ブライトだろうがな。」
ケビンの言葉を聞いたリースは頷き、ヨシュアは疲れた表情で溜息を吐き、レーヴェは口元に笑みを浮かべた。
「………ちなみにそのユニカという人はどういう戦い方をするか、わかるかい?」
「そうですね………ユニカはサウルの血を引いているだけあって、女性の身でありながら斧や大剣を軽々と振り回す技量があります。」
「ハ、ハハ……さすがは”力”を司る一族という訳か………」
フィーナの話を聞いたアドルは冷や汗をかいて苦笑した。
「アドルさん。ユニカは私とレアにとって大切な妹なんですから、あの娘を悪く言うのはいくらアドルさんが相手でも怒りますからね?」
「………そ、そうだね。女性に対して力持ち扱いは失礼だね。……ごめん。」
しかしフィーナに睨まれたアドルは焦った後、フィーナに謝罪した。
「ハハ……ほな、そろそろ行きましょうか。」
2人の会話を苦笑しながら見ていたケビンは提案し、そし
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