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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
第56話
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するとその時カレイジャスからアルフィン皇女とセドリック皇太子の宣言が聞こえたが、貴族連合軍は怯む事無く進軍し続けていた。
「……今までと違って、全然効果がないね。」
「あの様子では恐らくアルフィン殿下達の声すらも耳に入ってこないのでしょうね……」
「ええ……やっぱり連中は既に”グノーシス”によってヨアヒムの傀儡になってしまったようね。」
進軍し続けている貴族連合軍を見て呟いたフィーとセレーネの言葉に頷いたサラ教官は重々しい様子を纏って呟いた。
「姉さん……姉さんの”子守唄”で彼らの意識を奪って、無力化する事はできないかしら?」
「無理よ。彼らは”グノーシス”によって相当強い暗示をかけられているから、”子守唄”で彼らを無力化する為には更に強い暗示で上書きする必要がある上、数人程度ならともかくあんな大人数だと、効果はせいぜい数分程度だろうだからやっても無駄だと思うわ。」
「結局は”力づく”で無理矢理無力化させるしかないって訳ね……」
エマの推測にクロチルダは疲れた表情で答え、クロチルダの答えを聞いたセリーヌは溜息を吐いた。
「―――問題ない。元々そうなる事を想定していたし、学院のみんなもいるんだ。みんなで協力すれば絶対にしのげる……!」
「ええ!」
「兄様達が離れ離れになったあの時と違い、今度は私達もいます……!今回の防衛戦……絶対に成功させましょう……!」
リィンの言葉にアリサは力強く頷き、エリゼは決意の表情で呟いた。
「ふふ、ようやく私の努力の成果をアリサにも見せる時が来ましたわね!」
「ハーッハッハ!我が華麗なる槍に心の底から感服するがいい!」
「お二人とも、実戦は初めてなのですから、無理は禁物ですよ。」
リィン達と共に貴族連合軍を食い止める士官学院生達の一部―――フェリスとフェリスの兄、ヴィンセントがそれぞれ戦意を高めていると二人の実家―――”フロラルド伯爵家”に仕えているメイド、サリファは双銃を構えて二人に警告し
「フフ、ようやくトリスタを占領した”借り”を返す時が来たわね。カレイジャスの砲術士として待機しているアラン君や貴族連合に誘拐されたパトリック君の分も含めて、貴族連合に私達の怒りを叩きつけるわよ、ロギンス君。」
「ああ。俺達を離れ離れにした”元凶”の上、俺達の生意気な後輩を誘拐した連中なんだから、全員叩きのめす……!」
「やれやれ……どいつもこいつも少し見ない内に成長したな。」
「いや〜、みんな本当に頼もしくなりましたね〜。(それにしても……まさかこの私が”結社”の使い手達と共に戦う時が来るとは。これもまた
女神
(
エイドス
)
のお導きなのでしょうか。)」
フェンシング部の部長である貴族上級生―――フリーデル
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