第17話(1章終了)
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姉さんの性格をそこまで熟知しているのか。そして………何故、アルカンシェルの公演の時に限って、今回の事件を防ぐ為に自分は動けないのか。そうなるとアルカンシェルの関係者が怪しくなってくる。………そこに加えて銀がクロスベル入りした時期とお姉さんがアルカンシェルに入団した時期と合わせて、更に銀の”改めて依頼”―――つまり一度依頼したことがあるという言葉も含めるとリーシャお姉さんが一番怪しい事は明白でしょう?で、怪しいと思ってあの市長暗殺未遂事件が終わってから、歓楽街から港湾区に人目を避けて向かう最短ルートを割り出してそのルートや歓楽街、港湾区の建物の屋上に監視カメラをこっそり仕掛けて網にかかるのを待っていたって訳♪あ、一応言っておくけど”黒月”の支部の屋上にはさすがに仕掛けていないわよ?」
「……………………………私をどうするつもり…………?」
レンの推理と自分の正体を掴むための下準備を聞いたリーシャは表情を青褪めさせて黙り込んだ後、身体を震わせながら真剣な表情でレンを見つめて尋ねた。
「うふふ、そんなに怖い目をしないでよ♪レンはこの場でリーシャお姉さんを逮捕したり、誰かにリーシャお姉さんの事を教えたりするつもりは一切ないもの。」
「え…………?」
しかしレンが自分を捕えるつもりも誰かに正体を話すつもりもない事を知ったリーシャは呆けた表情でレンを見つめた。
「まず、銀自身がクロスベルで犯罪を犯したという証拠がないから逮捕できないし、銀は”Ms.L”―――レンにも雇われているでしょう?第一お姉さんを捕まえたら、間違いなくお姉さんは道連れにレンの秘密やレンとの関係をしゃべっちゃうじゃない。レンにとっての”切り札”をわざわざ捨てたり、今までずっと秘密にして来たレンの秘密が大勢の人達に判明するようなおバカな事はしないわよ。」
「そ、それは………それじゃあ何の為に私の正体を暴いてこの場に現れたの………?」
レンの正論に反論できないリーシャは不安そうな表情でレンを見つめて問いかけた。
「うふふ、リーシャお姉さんとレンの立場を”平等”にする為よ。」
「え……?それってどういう事………?」
「あら、わからないかしら?リーシャお姉さんはレンの秘密を知っているのにレンはリーシャお姉さん―――”銀”の正体を知らなかったわ。これって、”平等”かしら?」
「それは…………」
レンの正論とも言える問いかけに反論できないリーシャは複雑そうな表情で答えを濁し
「―――ゼノお兄さん、レオニダスおじさん。”別の依頼”扱いとして”銀”の正体を決して誰にも話さないという”依頼”をするわ。報酬は一人1億ミラで、依頼内容は生きている限り絶対誰にも―――例え団員や家族であろうと”
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