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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
雨夜-レイニーナイト-part6/雨中の決戦
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少女は、恵まれていた。暖かな故郷、優しい両親と家臣たち。そして自分たちを慕う民たち。自分もいつかこの領地を継ぐか、この地を継ぐ誰かの妻となって華やかな貴族生活を送りつつも、この愛する故郷や両親、民たちのために力を尽くそうと思っていた。

だが父が、ある日汚職事件を起こしたとして逮捕された。
それをきっかけにすべてが変わった。
軍の資金を父が着服したことが王室にばれたとされていた。少女は父をよく知っている。民たちから慕われ、愛する家族のために常日頃努力を重ね続けている貴族の鑑だった。そんな恥さらしもいいところな行為をするはずがない。
だが、誰の訴えも…無論父の訴えは王室に届かなかった。結果、父は獄中で自殺し、母もそのショックで後を追っていき…少女の家は没落した。
親も故郷も貴族の位もなくし、ただ一人さまよい続けた少女。彼女はこれまでの生活から一転して、金もないためロクに食事にありつくこともできなかった。
そんな時、父の友人を名乗る老貴族とである。彼だけは、父の無実を信じた。父の無念を晴らすために自分も全力で協力しよう、といった。まるで孫をいつくしむ祖父のような笑みで。
その日から彼女は、手を差し伸べてくれた彼のために、自分の両親を奪った王室への復讐を誓った。
だが…それは都合のいい駒を手に入れるための芝居だった。
奴こそが、自分の父に濡れ衣を着せることで死に追いやり、自分を地獄にたたき落として張本人だった。
少女は、理不尽にも自分が道化にされていたことを悟った。
両親の仇に踊らされていると気づかず、そいつの意のままに働いてきた自分が憎いくらいだ。そして…自分をこんな地獄の世界にたたき落としたあの男が憎い。

でも、せめて一矢報いたいと強く思った。両親の仇であるあの男を悔しがらせることをして見せたかった。一度くらい、誇るべきトリステイン貴族らしいことをもう一度やって見せたくなった。
この醜くて残酷なことだらけの世界を、必死になって守ろうとしてくれた、あのさえない少年…いや、守護神であるあの光の戦士が、常日頃そうしているように。

なぁ…サイ、ト…



「ふ、ふん…脅かしおって。これだから下賤の輩は困るのだ」
一瞬恐怖したことを覆い隠すように、勝ち誇った笑みを浮かべたリッシュモン。
だが次の瞬間、安心した隙をついてアニエスの銃がリッシュモンに向けて放たれた。
バン!!
アニエスの狙った先は、奴の杖を握る右手と、左足。その二か所の他、腹にも一発鉛玉がぶち込まれた。
「ぐあああああああ…!!」
「うおおおおおおおおおおおお!!!!」
さらにここで、ダメ押しにサイトが駆けだした。そしてリッシュモンに近づいたところで、デルフを使ってリッシュモンの杖を叩き斬ってしまった。
杖を失い、右手と左足、わき腹を負傷したリッ
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