暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
雨夜-レイニーナイト-part5/裏切りの代償
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人、ミシェルたちの後ろから誰かが駆け出してくる音が聞こえてきた。
「ミシェルさん!!」
ぎりぎり、リッシュモンの隠し通路に飛び込むことに成功したサイトだった。彼もまた、雨にぬれ始めていた。
「サイト、お前までここに…!?」
アニエスは目を丸くする。彼女にとってサイトが来ることは予想外だった。
「ちぃ、厄介な…」
レコンキスタ側の関係者からこの日のために聞いていたウルトラマンゼロの変身者である彼まで来たことに、リッシュモンは歯噛みする。
「ミシェルさん、もう一度言います。ここで降参してください」
剣を構えながら、サイトはミシェルに言った。例え今更だとしても、剣を交えたくはない。例えどれほど甘いと言われようとも…。
ミシェルは、サイトを見る。そのまっすぐさはどこまでそのままだろうか。
レコンキスタから情報で、彼がこれまでハルケギニアに現れ人類の危機を救ってきた救世主の一人だと知ったときは驚いた。普段はこんなにも冴えない小僧にも見えるというのに、こんな少年がウルトラマンだなんて思いもしなかった。だが、彼は他の人間と違って、正しい白の中に居続けている。それが…どことなく羨ましく思ってしまう。
だからこそ…もうこれ以上自分に情を移してはならないのだ。
こんな、生きるために手段を選ばなくなった、薄汚い裏切り者などに。
「今の私はお前たちの敵だ。いや…それ以前に、私は元々女王の内情を探るために主の手によって送り込まれたスパイだ。そんな女に心を許そうとするな」
「ッ…!」
サイトはそれを聞いて悔しげに顔を歪ませた。
『…サイト、もう覚悟を決めろ、彼女は…』
『わかってる。わかってるけど…』
無駄だとは、心のどこかで既に分かっていた。でも、サイトの知っている彼女は、彼女なりにこの国を正しい方向に向けようとしていた。そう思うと、このまま彼女を悪と断じるのは気が進まなかった。
「お前の父君の汚職事件が原因で家を取り潰され、貴族の名を失ったことがそんなに許せないか…」
「私の父は無実だ!」
アニエスがミシェルの過去の一部を口にし、その怒りの具合を問うと、ミシェルはそれを聞いた瞬間、自分の中から凄まじいほどの怒りと憎しみが湧き上がるのを感じた。
「私の父は、王室のでっちあげた事件のせいで職を追われ、自殺した!母もその後を追って逝った!たった一人私を残して!トリステインそのものが私の家族を殺したも同然だ!!」
「ッ!」
サイトはそれを聞いて驚愕する。ミシェルはそのまま怒りをアニエスにぶちまけるように己の不幸な過去を告白し続けた。
「孤独になった私は生きるためにはなんだってやった!殺人だろうと、強盗だろうと!
だが、父のご友人だったリッシュモン様は私を孤独から救ってくださったのだ!
私が家を取り潰され、生きるために手を汚したことを知
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