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第四章
何もなくて
何もなくて 何も見えなくて
時間だけが空虚に過ぎていく ただひたすら過ぎていく
そんな時間を過ごしていて 気付いたその時にはもう
月が上に昇っていた 月が夜空に輝いていた
それまで何も見えなかったのに 何も感じなかったのに
月は見ることができた 感じることができた
空虚な時間はそれで終わって 月が僕に挨拶をしてくれた
それまで何もなかった僕が 何もわからなかった僕が
月のその優しい光を見て その穏やかな光の下で
ふと何かが見えた 何かを感じた
それは何かというと 最初に見えたものは
月の優しい光 その青く静かな光
その光を見ながら感じていた その優しさを
何も見えなかった僕に見せてくれて 感じさせてくれて
その月の光の優しさを感じていた 夜の世界の中で
空虚な時間は終わり 優しい時間がやって来た
その世界の中で今は 静かに見えるものを見ていた
2009・12・14
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