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第三章
嫌な思い出も
昔のことを思い出した 何年も誰にも言えなかったことを
そのことを思い出した夜
振られて裏切られて そのことをずっと言われていたことを
そのことを思い出した夜
辛さと痛さを思い出して あの時の傷がぶりかえす
そんな夜に一人外に出て
見上げるとそこには月があった
黄金色の半月がそこにあって
半分だけ優しい光を見せていた
あとの半分は何処にいったのか それは見えない
半分は輝いていて半分は闇になっている
その時思っていた自分の顔と同じ
辛さと痛さに堪えているのが闇で それを克服しようとしているのが光
その二つに分かれていたあの時の顔
月は今は半月だけれど
次第に満月になっていく
欠けていっても新月からまた満月になる そうなれば同じこと
満月になれば闇はなくなる 辛くて痛い過去も忘れられる
そうさせてくれるのは時 時がそうさせてくれる
なら月と同じように 克服してしまおう
闇のこの辛さと痛さを克服して満月になろう
そうなればいい 満月になればいい
半月を見てそれがわかった夜
辛さも痛さもまだこの身にあるけれど 心にあるけれど
満月になって克服しよう この辛さと痛さを
2009・12・1
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