暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
終章〜暁の若獅子達〜  外伝〜それぞれの降伏〜
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いかけに対し、ウォレス准将は肩を落として疲れた表情で答えた。

「―――全ての元凶であるカイエン公は今どこにいるのだ?」

「わからない……情けない話だが昨日から全く連絡が取れない状況なのだ。それどころか残りの部隊とも全く連絡が取れないのだ…………」

「まさか国外に逃亡し、亡命したのでしょうか?」

ゼクス中将の質問に答えたウォレス准将の答えが気になったナイトハルト少佐は考え込みながらクレイグ中将に尋ねた。



「いや、カイエン公個人ならまだしも軍隊を引き攣れて国外へと逃亡すれば絶対に目立つ為、それはありえん。第一亡命すると言っても今の状況でどこに亡命するというのだ?いつでもメンフィルと共にエレボニアに侵攻するつもりでいるクロスベルは不可能の上カルバードは先日のクロスベル・メンフィル連合軍によって滅びた。更にメンフィルの盟友であり、またオリヴァルト殿下とも親交があるリベールもカイエン公達―――貴族連合の亡命を受け入れないだろうし、そもそもハーケン門に最も隣接している領地―――”パルム”は先日第七機甲師団が奪還したから、リベール方面に亡命する等不可能だ。後はノーザンブリアだが……貧困や飢餓に苦しみ続けているノーザンブリアに亡命等論外だ。」

「となると国内に潜伏しているという事になりますね………」

「………ウォレス准将。カイエン公の指示によって捕えられ、幽閉された貴族の家族の方々の行方について何か知っている事はあるか?」

クレイグ中将の推測を聞いたナイトハルト少佐が考え込んでいる中、ある事を思い出したゼクス中将はウォレス准将に尋ねた。

「俺が知っている情報は捕えられた貴族の家族達はカイエン公の専用艦に集められたという情報だけだ。当然カイエン公の専用艦が今どこにいるかわからない。恐らくは俺が独断で人質達を救出し、離反する事を警戒したカイエン公が情報を規制したと思われるが…………」

「……何にせよ、帝都を奪還した事で内戦を終結させた事になる。行方がわからないカイエン公達については、メンフィルに”戦争回避条約”によって設けられた猶予期間を守った事を知らせてエレボニア侵攻を中止してもらってからだな。」

「うむ。」

こうして、ウォレス准将率いる帝都ヘイムダルを防衛する貴族連合軍は正規軍に降伏し、帝都であるヘイムダルを奪還した事で、”戦争回避条約”の猶予期間を守る事ができた。





同日、12:00――――



〜バリアハート〜



ウォレス准将率いる帝都ヘイムダルを防衛する貴族連合軍が正規軍に降伏していたその頃、ある人物―――クロチルダがバリアハートに近づいてきた。

「止まれ。現在は特別警戒体制の為、検問をしている。バリアハート市内に入りたければ通行証を見せろ。
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