雷撃襲来
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!?
「だから待てって」
「うわっ!!」
「ひゃうん!!」
数メートル先にあるコーナー。そこを曲がってもう一度曲がり角があれば振りきれると思っていた。だが、走り出してすぐに足に銃弾が掠り、持っていたセシリーが前方に吹っ飛びながら再度転倒する。
「いっ・・・」
弾丸が掠った箇所を押さえて苦痛に顔を歪める。直撃したわけではないのに、なぜか凄く足が痛い。普段ならこれよりも強い攻撃を受けても、なんとか動けるのに、今日は全然動けない。何もかもが調子がおかしくなっている気がする。
「やれやれ、やっと捕まえたぜ」
額に軽く浮かんだ汗を拭いながらこちらにやってくるノーラン。迫ってくる彼に、せめてもの抵抗と思い倒れたまま後ろに下がってみるが、案の定意味がなく追い付かれてしまった。
「不完全な状態で外に出たから、本来の魔法も中途半端になっちまったんだな。いいデータが取れた」
ブツブツと何かを言いながら小さなノートにペンでメモを始めるノーラン。なめてるのかと思いブレスを放とうとしたが、腹部を踏まれ、魔力を溜めることができなかった。
「模様は出てきてるし、後数時間くらいで完了するだろう。ラボに連れ戻るとするか」
そう言って俺の頭に手を伸ばしかけた青年は、何かを思い付いたらしく、その腕を引っ込める。
「その前に、また逃げられても面倒だ。後で治せばいいだろうし、腕と足くらい折っておくか」
そう言って右腕を思いきり踏みつけるノーラン。その一撃で激痛が走り、逃げようともがく。しかし、ここでも予想通りの力が発揮できず、逃れることができない。
「やめて〜シリルが〜!!」
地に伏したまま大声で泣き叫ぶセシリー。すると、ノーランは彼女の方を見て笑みを見せる。
「安心しろ。お前にも後で同じことをしてやるから」
「っ・・・!!」
セシリーにもこれと同じことを?それだけはやらせないと全身に力を入れていく。
「うっ・・・」
しかし、全く体勢を変えることができず、ただ力を消費していくだけだった。
メキメキ
踏まれた部分から嫌な音が聞こえてくる。それに伴い痛みが増していき、やがて力を入れることすらできなくなっていく。
「シリル〜!!」
目から雫をボロボロとこぼしている茶色の猫。もうダメかと思った。しかし、俺を踏みつけるノーランの肩に、落雷が直撃した。
「ぐあっ!!」
なぜ屋内なのに雷が落ちてきたのか。理解できぬまま、その場から一度離れて距離を空ける悪魔。彼と入れ替わるように、後ろから前に大きな背中がやってくる。
「え?」
「なんで〜?」
その背中の主を見て、倒れている俺もセシリーも目を見開く。それは、ノーランも同じだった。
「お前・・・どうや
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