雷撃襲来
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のである。
「まぁ、おおよそ検討はついてるんだけどなぁ」
ノーランがそう言うと、彼の方を覗いていたはずのセシリーが穴からばっと顔を避ける。それと同時に、彼の足音がこちらにゆっくりと近づいてくる。
「「!!」」
徐々に近づいてくる足音に、俺とセシリーは身を縮め、息を殺す。
「ここにある不自然な酒樽。これに隠れてると考えることができるよな」
この近くに食堂があるようには見えなかったし、ごみ捨て場のようにも見えなかった。ただ、力が出ない俺をセシリーが持って動いていると、どうしても追い付かれそうになってしまっていたため、早めに身を隠して体制を整えようと考えたわけ。
「それに、樽から血が出てきてるしね」
(え!?)
ノーランの言葉に驚いた俺は傷口に手を当てる。その際・・・
ガタッ
腕が樽にぶつかり、音を立ててしまった。
「まぁ、冗談なんだけどね」
舌を出して動揺している俺たちを見ているノーラン。彼がしたかったのはカマをかけて自分たちに居場所を教えさせようとしていたらしい。それに気付かず、相手の思惑に乗ってしまうとは・・・
「このぉ!!」
「うぉ!!」
悔しい気持ちもあるが今はそれどころではない。被っていた酒樽を敵がいる方向に投げつける。それをノーランが交わしている隙に、セシリーに掴んでもらってその場から離れていく。
「もう!!シリルが小さくて助かったと思ったのに〜!!」
「ごめんセシリー・・・」
あの酒樽は俺たちだから入れた。たぶんグレイさんやナツさんだったら、中に入ることなどできやしなかっただろう。エルフマンさんレベルになれば、頭くらいしか隠れないんじゃないだろうか?ただ、俺とセシリーだと入れたからその場に潜んでいたのだが、ノーランにはあっさり看破されてしまい、結局逃げ惑うことになってしまった。
「シリルのそれ、消えないの〜?」
「何度も擦ってるけど、全然ダメなんだよ」
コーナーを攻めながらノーランから遠ざかろうとしているセシリーの問いに、腕を触りながら答える。力が出ない原因と思われるこの模様。消せるものなら消したいのだけど、どういうわけか消えない。薄くなってるから消えかけなのかとも思ったんだけど、全然消えてくれる気配がない。
「待てよ、お二人さん」
「「プギャッ!!」」
力が出ないため、真っ正面から戦うことなどできない。元通りの力が戻ってくるまでは、なんとか逃げて好機を待とうと考えた俺たち。しかし、後ろからノーランの攻撃を受け、地面に落下する。
「クソッ!!」
「ごめんシリル〜」
ただ、どこかをケガしたわけではなかったため、すぐに立ち上がり、セシリーを抱えて走り出す。もうこれ誰かと合流しないと本当にやられちゃうんじゃないの
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