五十二話:旧友
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鎬を削るノーヴェ達戦闘機人と六課フォワード陣。その戦いは今まさに終焉を迎えようとしていた。―――フォワード陣の勝利をもって。
「こいつら……こっちの連携を読んできてるっス!」
「ワンパターンな連携なんて時間をかければ必ず破れる。勉強しなおさないとね!」
戦闘機人はその機械性をもってノータイムでの情報伝達と連携を可能とする。しかし、彼女達には圧倒的に経験と練習量が足りない。故に単純かつワンパターンでしかない。もしもスカリエッティが研究者ではなく指揮官であればこうしたミスは犯さなかったであろうが彼は自身の技術に慢心をしてしまった。それ故の失敗だ。
「なんで邪魔をするの。私はただお母さんと心を取り戻したいだけなのに」
「どうしてわからないの? その取り戻したいって気持ちや一人になりたくないって怖さも心なんだよ!」
そしてルーテシアの強力な召喚獣は同じ力を持つキャロが相殺し完全に抑え込んでいる。純粋な力比べで勝てないのであれば未熟であっても経験を積み続けてきたフォワード陣に勝ち目はない。戦闘機人達は常に格下と戦い力をつけてきたがフォワード陣は常に格上と戦って力をつけてきたのでそれは当然帰結だろう。
「このままでは攻めているこちらが不利です。オットー、一度ここは仕切り直しを検討した方が」
「相手にも決め手がない今なら可能か……そうした方が良いかもね。ドクターのこともあるし」
一度フォワード陣との戦闘を止めて一ヶ所に集まるディード達。このままでは負けてしまうが相手に決め手がない今ならば退却することも可能だ。ここは一度引いて作戦を立て直すべきだ。そう考える四人だったが―――既に手遅れであった。
(全員その場から離脱しなさい。大きいのを撃つわよ)
(了解!)
先程まで戦っていたスバル達がさらに離れていく光景にまず初めに気づいたのはノーヴェであった。次にウェンディが自身らを狙う狙撃手の存在に気づく。
「なんスか……あの馬鹿げた魔力は、あんな魔力持ってないはずっしょ!?」
見上げた先に居るティアナに対して思わず叫び声を上げるのも無理はない。ティアナ一人では到底まかなうことのできない魔力が彼女の銃口から発せられているのだ。現実的に不可能だという想いとあれを撃たれればひとたまりもないという危機感を感じても仕方がない。
「あれはまさか……収束魔法? そんな、事前情報にはなかったのに……」
オットーが事前情報にはなかったと呟くがそれも当然だろう。なにせこれがぶっつけ本番の初使用なのだから。あの日、強さを求めてなのはから教わった技を日々の訓練の中で少しずつ自分のものとし、今日この負けられない大一番で放つ。その度胸こそがティアナの最大の武器である。
「収束完了、ありったけのカートリッジも使った
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