98話 憐憫
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とりあえず、突撃……する?……さっきからエルトが私の腕を掴んでプルプルしてるから進めないんだけど。振り払えるけど振り払う理由もないし振り返ると、塔の中身を見てややこしそうだなと思ったのか、案外理論の嫌いなエルトがぎこちなく笑う。
うん、察した。
そういうのは頭を使わなそうな私に頼むものじゃないでしょ、普通!君がやるんじゃないの、リーダーエルトめ!
「頭脳は任せたよ!」
「うわぁ……」
エルトの笑顔はそれはそれは良い感じ……で、よほど嫌なのか顔色は悪かった。リーザスの塔の比じゃないほど面倒くさそうな塔を見て、上を仰ぎ見て、面倒すぎると理解して、私は深々ため息をついた。
さてと……そこらを闊歩してるスタチューな魔物を破壊、しようかな!
ククール!バイキルトちょうだいね、そしたらあいつらもズバっと真っ二つにしてから蹴り砕けると思うから!よおし、ありがとう!
鬱憤晴らしに、殺っちゃうぞ!
・・・・
見た目は複雑だったけど、この塔の仕掛けっていうのは案外簡単で、……でもやっぱりめんどくさかった。魔物が何故だか五匹ぐらいでしか来なかったから助かってるけど、うん。考えるのがすっごくめんどくさいんだよ。性格悪いんじゃない、ライドンさんって。いやいや失礼。ちょっと内心の意見が。
エルトは戦うことしかできないぐらいで役に立たないし……ヤンガスは早々に音を上げたし……ククール?ああ、考えてはくれようとしてるし、結構やってくれるかな。助かる。
でも敵が少なくても攻撃が今までの比じゃないほど強くて強くて、回復のためにククールが乱舞してるもんで、そっちに集中してもらってる。私ならなんとか出来るかなって思ったからね、流石にエルトじゃあるまいし、させないさ、そんなこと。
それでさ、私は相変わらず最前線でズバズバ斬り込んで戦ってるんだよ。めちゃくちゃ切り刻んでる。それでさらに謎解きもやれって……鬼じゃない?
とはいえ、最初の方は正面から謎解きしてたんだよ?そう、この塔の創造者が意図した通りだと思う。
でもね、その通りにして、石像でストッパーかけても私が乗ると……うん。簡単に動いちゃうんだよね、この、スロープが。この大剣と鎖帷子と鉄板入りブーツのせいで。
というわけで途中から像を無視して私が石像の代わりになってみんなを上の階に行かせてる。それから私はスロープを無視して駆け上がる。もちろん走ってる途中にスロープが下がってくるけど最後はジャンプでなんとかなるなる!
その度にスロープはミシッとかベキッとか言ってるけど、知らない!こんなめんどくさい塔なのが悪いんだ!
「物理はさらに強い物理に勝てないからね!」
「うわぁ……」
「何さ。文句でもあるの?だいた
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