98話 憐憫
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なんだかククールを哀れんでいる間にゼシカはふっと空中に掻き消えた。……ドルマゲスもこんなことしてなかったっけ。あんなにドルマゲスを憎んでたゼシカが敵と同じようなこと、するかなぁ?なんか、おかしいよ。
そして残されたのは僕達と屋敷の主……ハワード。そこで僕達は面倒臭い依頼をされることになった。こき使われるなんて、陛下と姫以外の命令はごめんなんだけどな……。でも、そうも言っていられないか。
・・・・
「ここに石の剣を用意します!」
「……うん」
「そしてぶっ刺します!」
ガゴン!と石の剣が突き刺さった。……いや、ぶち込んだというべきかな?
「……砕けてない?」
「大丈夫!」
あの、ハワードとかいう人になんか命令されちゃったみたい!致し方ない状況で!エルトは申し訳なさそうだったけど、まぁ仕方ないよね!ゼシカと対峙したってだけでも収穫さ!
にしても、クランスピネルを探してこいって、それ世界三大宝石の一つっていうか……普通じゃない宝石なんだけどな。私だってこの旅でアルゴンハートは見れたけどそれ以外はお目にかからないってもの。その価値は計り知れない。
アルゴンハートが力の宝石なら、クランスピネルは魔力の宝石。利用価値だって充分、しかも美しいってもう……ね。欲張りがこぞって手に入れたがりそう。
ビーナスの涙は結局、何の宝石か分からなかったけど。美に司ってるってことでいいのかな。……ん?ということは私、世界の三大世界を全部見るってことになるの?それはそれは。一国の主でもなかなか出来ないことだよね。
眉唾物の伝承……というのにはちょっといろんな文献に乗ってるから言いきれないんだけど、遠い昔かどこかの世界か分からないけど、三大宝石みたいに三大リング?ってのがあったみたいだよ。
水のリング、命のリング、炎のリングってね。それに当てはめたら……色で言うなら水はビーナス、命はアルゴン、炎はクランスピネルかなぁ?アルゴンハートとクランスピネルどっちも赤系統だからよくわからないけど。ま、これは関係のない話だよね。
で。探し物のクランスピネルっていうのはライドンさんっていうリブルアーチの石工さんがありかを知ってるらしい。そのライドンさん、自分で作った塔に篭りきりで登っていかなきゃいけないとか。
えーー……。なんだか、面倒というか、じれったいというか。事態はそれどころじゃないのにな。でもまぁ、他に手がかりもないし仕方ないかなぁ。
……鍵として預かった石の剣で扉は開いたけど、中からは結構うじゃうじゃ魔物の気配もするし……ここ、見ての通り、塔だよね?もしもどこかで落ちたら流石に……この高さなら真ん中ぐらいでも普通に死ねる……内蔵破裂か頚椎損傷で。
うん、嫌な想像はよしとくよ
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